プロローグ
初連載です。
よろしくお願いします。
私は彼の車椅子を押す。
何も考えれない、何もできない、何もする気がない彼の車椅子を押す。
彼の心は砕けていて、もう治すことはできない。
ただ生き続けるだけの存在になってしまった。
まるで意識のある植物人間…。
彼はもう何もしない。
恐怖もしないし、抵抗もしない。
心のない人形みたいになってしまった。
本当は恐がりたいのに、抵抗したいのに…。
いや、彼は何も感じないのだ。
何も認識しないのだ。
仲の良かった私の存在すら…。
カラカラと音を立てて移動する。
今日は花を見るつもりだ。
綺麗な花を彼が認識することができたらまた笑ってくれるかもしれない、と淡い希望を持って…。
何故……彼がこんな目にあったのだろう。
確かに彼は女顔で、男の子なのに可愛いの分類に入る。
それは確かだ。
だが、だからといって、心が砕かれるまでのことをされる必要があるだろうか?
いや、ない!
麻薬を打たれて、監禁されて、手足の健を切られる必要があったか?
いや、あるはずがないのだ!
ここまで神様が不公平だとは思わなかった。
天才に生まれて、容姿がいい。
だが、そこまでだ。
美しい未来は壊された。砕かれた。
たった一人の女のせいで!
その女を取り巻く環境のせいで!
なんて彼は不幸なのだろうか。
だが、私が守ってみせよう。
取り戻してみせよう。
あの時、守れなかった私の罪として…。
絶対に――――
どうだったでしょうか?
これからよろしくお願いします。
感想などよろしくお願いします。