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ボクの始まり

掲載日:2026/03/17

このお話を読んでくださる皆さんは、

「夜幕サーカスのクラウン」についてご存知ですか?

おや、ご存知ない…

今回はそんなクラウンの秘密を少しだけ覗いてみましょう。

 僕は、人生がつまらなかった。


楽しい事なんて何もない、汚い思想や争いにまみれたくだらない世界にしがみついて、か細く息をする。死ぬ事への恐怖も、少しずつ日が経つにつれて消えていくようだった。



学校に着くと、上辺だけの笑顔を張り付けたクラスメートと先生が待ち構える。先生は、みんなの事を

「良い生徒だ」という。

嘘だ。嘘つき。本当はそんな事思ってないに決まってる。みんなは笑顔で握手をするのに裏では1人を仲間外れにしたり、恋愛のドロドロに巻き込んでいたり、汚い感情を隠して生きているんだ。


それに気づいているのか、いないのかは分からないけれど僕はいつでも息をするのが苦しかった。


家でもこんな事は言えるはずもなく、それどころか両親は夜の遅い時間帯に家に帰るので会話する方が珍しい状況だった。

それに、仕事がなかった日でも両親は僕に興味がないようだった。

無関心で、気遣いのみで作り上げた笑顔を浮かべる。


 ある日の帰り道、僕はもう既に限界だった。苦しくて苦しくて仕方ない。家に帰りたくない…学校に行きたくない…


家からも、学校からも遠い公園のベンチに僕は腰を下ろした。

(もう、いっそのこと…)

その時僕の足元に何かが転がってきた。

ボールだった、小さなゴム製のボール。

拾うと小さな男の子がこちらへ走ってきて止まった。

僕はボールを男の子の目の前でポンッポンッと上に投げてはキャッチしてみた。

男の子はそれを見て目をキラキラさせて言った

「面白い!もう1回!」

指示通りにボールを同じように操る。すると、ボールが2つに増えた。

「え?!すごい!すごい!」

男の子が楽しそうに声を上げる。

自分でもどうやったか分からないけれど僕は2つのボールをジャグリングのように操った。

「ねぇ!もっと増える?!」

僕はボールを3つに増やした。

「サーカスの人みたい!楽しい!」


…楽しい?


ボールを操る僕は考える。


サーカス…非日常…楽しい…


そうか


世界が楽しくないなら


楽しく作り変えればいいんだ。


その瞬間、ボクに異変が起きた。

ボクの着ていた制服は、カラフルな衣装に変わった。頭の中が、電撃でも食らったようにバチバチしているのが分かる。

「楽しい!」

か細くかった息は次第に大きくなりボクは深呼吸をする。気持ちいい。

「楽しい」って、なんて素晴らしいんだろう!

僕が言ったその時、男の子は言った。

「お兄ちゃんは魔法使いなの?!お洋服も、変わってお顔もピエロになっちゃった!」

ボクはいつの間にか8つにも増えていたボールを少年に渡す。

「いいの?!ボールいっぱい!ありがとう!えっと…お兄ちゃんの、お名前は…」

ボクは笑顔で答える。

「ボクは夜幕サーカスのクラウン!ねぇ、サーカスに来ない?!席はまだ空いているよ!」

指を鳴らすと、公園の真ん中に大きな赤いサーカステントが現れた。


ボク達は、手を繋いでテントの中に入る。


くだらない世界を楽しく作り変えるために。



いかがでしたか?

皆さんの前にも、クラウンは現れるかも知れませんよ。

世界を楽しく作り変えるために生まれた

怪物のサーカステントが。

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