第七話 自由は自分の力で勝ち取るのものだ!
「お~い!カケル!パーティーだぞ~!早く出てこいよ!!」
「んな声出さなくても聞こえてるわ・・・ていうかそこ、俺の部屋じゃないしな」
ドアを叩いていたマコトにカケルが突っ込む、
マコトが叩いていたのはカケルの部屋の反対側部屋のドアであった。
「あれ?そうだっけ?まあいいや、ほら行くぞ!!」
マコトが俺の手をとって走り出す・・・
なぜか、視線を感じるがここで気にしたらダメなような気がしたので無視した。
「ではここに、この者が勇者であることを私が証明する!!」
パチパチパチパチパチ・・・
今、国王様がマコトの前でそう宣言し、周りから盛大な拍手が送られた。
俺は今パーティー会場の端っこにいる、
え?俺はって?つつしんでお断りさせてもらいました、
一応、名義としては勇者とはなっているが、
勇者が二人いると国民たちが混乱する恐れがあるため俺のことは伏せられたといったほうがほんとのところだと思うがな、
だけどこれはこれで俺も動きやすくなったということだ!
マコトは今、飯に夢中だし今がチャンスだな
「む?カケル殿?こんなところで何をしていらっしゃるのですか?パーティーは?」
俺は今、パーティー会場を抜け出してある廊下にいた、
そこで巡回中の兵士とばったり会ってしまった。
「いやいや、私はこういった堅苦しいのがきらいでして、抜け出してきました・・・どうですかこれ?」
俺が兵士に差し出したのはワインである、
「いやいやカケル殿、今仕事中ですし・・・」
「ここから一時間くらいここには誰も来ませんから大丈夫ですよ、ささどうぞ」
パーティー会場から拝借したワイングラスを出しそこにワインを注ぐ
最初こそ嫌がっていた兵士ではあったが、それを見てようやく受け取った
「では一杯だけ・・・」
兵士がそれを飲もうとしたとき・・・
バチチチチチチチ!!!!!!
激しい火花がなり、兵士が倒れた
「油断大敵・・・こんなんでお城守れんのかよ・・・」
カケルの手には・・・スタンガンが握られていた、
これもまた元の世界でカケルが持っていたものである。
「さてと、これをこうして・・・ここに置けば完璧っと」
ワインの中身を半分捨て、倒れた兵士の近くに置いた。
こうすれば誰が見てもわかるであろう、
この兵士は『巡回中にもかかわらずワインを飲んで、挙句寝てしまった』と、
「こいつがあれを持ってるはずだが・・・あった!ラッキーじゃね!?」
カケルはそのあと順調?に進み目当ての物を持った兵士を気絶させ、それを手に入れた。
その目当てのものとは・・・カギだった、
ただ、普通の鍵ではない、これはこの城の『マスターキー』である。
これがあればどの部屋の鍵で開けることができる。
ただ、これを持ってる兵士など数を数えるほどしかないし、それなりに高い階級の兵士しかもっていない。
いわば、カケルが今気絶させた兵士はけっこう高位の兵士であるという意味だ、
・・・真面目にこの城の警備に疑問を抱き始めた。
こうして、カケルはこの城の隠し通路のあるところまでつくことができた。
「だいたい一時間ちょいかな?まあいいや、さっさと逃げると・・・」
そこでカケルの動きが止まる、
カケルの目の前にはここには絶対にいてはいけないはずの人間がいた。
「あれ?カケルか?」
・・・マコトであった、
しかも、この様子だとマコトは『偶然』ここにいたようだ、
強行突破しかないか・・・カケルはそう考えた
「カケルさぁ、ここで何してんの?」
「・・・この城から逃げるため、って言ったらどうする?」
正直にカケルはそういった、
質問した本人は・・・
「ふ~ん、いや、快く見送るよ?」
「・・・は?」
カケルはすっとんきょうな答えに呆れてしまった。
「親友が決めたことだったら俺はそれを見守るさ」
何ともカッコイイ?セリフであるとカケルはそう思った。
カケルは壁際のブロックを押すと壁が横にスライドして通路が出来上がった。
「・・・で、いくのか?」
「まあな、一応言うけど止めても無駄だぞ」
「さっきも言ったろ?見送るだけだって・・・だけどさ」
マコトはいったん言葉を止めて空を見上げた。
空は俺たちがいた世界よりも星がきれいで一瞬見入ってしまうほどだった。
「俺がピンチなと気には助けてくれよな!」
「・・・気が向いたら」
あまりこいつがピンチなところに出くわしたくないが一応そう返事した。
そういったカケルは通路にはいっていった。
しばらくすると壁が元に戻りはじめ、最後にはただの壁になった。
「・・・そういやこの世界の金ってなんだっけ?」
根本的なことを忘れていたカケルであった・・・
かなり微妙になった感が否めない私です、はい
まあ、やりきった感はあるのでこれで何とか・・・
次からは町での話になります。
カケルの武器についてとか・・・仲間とかも・・・ね
それではまた次回お会いしましょう、それでは・・・