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第18話「弟子としての一太刀」
鼓動が耳の奥で鳴り響く。
藍影会のリーダー格が仁美へ狙いを定めた瞬間——大樹は、考えるより先に体を動かしていた。
「うおおおおっ!」
傍らに転がっていた鉄パイプを握りしめ、背後から襲いかかる。
鈍い音とともに、リーダー格の男が膝をついた。
「……ほぉ、やるじゃないか」
血を吐きながらも、男の目は笑っている。
「やっぱり君は“青”だ。ますます欲しくなる」
「黙れ!」
大樹はもう一撃を振り下ろす。しかし途中でパイプを掴まれ、逆に引き寄せられた。
目の前に迫る拳——
だが、拳が届くより早く仁美のナイフが男の喉を掠めた。
鮮血が床に散る。男は崩れ落ち、護衛たちが一瞬ひるむ。
「……よくやったわね」
仁美が振り返り、わずかに口角を上げる。
「それ、あんたが選んだ一撃でしょ?」
大樹は息を切らせながらうなずく。
「俺……あんたを守ろうと思った」
「ふふっ。弟子らしくなってきたじゃない」
その言葉を合図に、残っていた護衛たちに二人で突っ込む。
仁美の刃と大樹の鉄パイプが交差し、数十秒後には全員が床に沈んでいた。
静寂が戻る。
仁美は血のついた頬を軽く拭い、あっけらかんと言った。
「さて、死体の処理といきましょ」
大樹はまだ震える手を見下ろす。
——でも、その震えは恐怖だけではなかった。




