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警察

作者: 山中千
掲載日:2022/09/22

チウのあった警察の方々

   「警察」

        山中 千


 チウは、家を飛び出した。通っていた心療内科の帰りで、睡眠薬と精神安定剤を貰ったが、こんもので自分が正常に成れると思えず、死にたかった。

 家を飛び出したチウは、JRに乗って、絶望と一緒に電車に揺られた。窓の外の景色は、夜景が綺麗だった。


 新大阪に到着した。

 改札を出ずに、歩き回った。引きこもっていたチウにとって、外の世界、しかも都会ということで、目のチカチカする思いだった。

 書店が、あった。文字を読むのが、大変の状態だったが、また読んでみようかな、と思った。


 家に帰る。すると警察官が来ていた。母親が、捜索願いを出していたのだ。チウの携帯電話は充電が切れていて、連絡出来なかったのだ……。

「よかった、よかった」

と感極まり、その様子を警察にアピールするかのような両親を冷めた目で見ていた。

「チウさんですか?お話聞いてもいいですか?」

半ば、強制的に話をさせられた。

警察官は、二人。一人は、大柄の50代のベテラン。もう一人は、20代後半の美人な女性だった。

 チウの精神状態について、女性警察官が、話し終えたところで

「どうして家を飛び出したのですか?」と女性警察官が聞いてきた。

 両親の前で、家族が大嫌いだから、とは言えず

「外に行って楽しみたかったから」

と答えると、女性警察官は

「もう子供じゃないんですからもう少ししっかりしてください」

とやれやれ、といった様子だった。



 チウは、祖母の家にいた。

 実家が嫌で、家出をした。

 小説を書いていて、休息に、コンビニに行った。

 深夜の緩やかな風は、心地よく、心の解ける思いだった。

 煙草を吸っていると、パトカーが泊まり

「すみません」

と警察官が、二人パトカーから降りてきた。

 チウの素性を質問攻めにして、財布の中身を細かに調べ

「ありがとうございました」

と言って、帰っていった。

 あまり、気分がいいものではなかった……。



 チウが、東京でスリにあった話だ。

 所持金は、0円になり、チウをチウだと証明出来るものが無くなった。

 リュウとリリと連絡をとり、

「心配だ、警察の所へ、行け」

と心配してくれて

「ああ、そうする!」

と心細い最中、友人の温かい一言に、勇気と安心感を貰った。

 その後に、携帯の充電が、切れた……。


 警察所へ。

 新宿駅だった。ホームレスたちが、身を寄せ合い、必死に生きていた。

 気持ちがわかる。

 そう、思った。野宿は、とてつもなく淋しい。誰かが、近くにいる、その事実に救われる瞬間があるのだ。


 警察官が、全員で4人。

「あのーすみません、財布を盗まれたのですが……」

「それでは、記入していただく資料がありますので、こちらにお掛けください」

とパイプ椅子を指差し、言った。

 冷たかった。

 滋賀から出てきたチウの都会での災難に、労う言葉は非ず。

 記入の途中で

「本当にすみません、携帯の充電だけ……させてもらっても、よろしいでしょうか?」

チウは、困っていた。

「なにか知り合いが居るということでしょうか?」

 警察官は疑いの目を止めない。

「はい!」

東京という地で、獅子奮迅している西に、連絡を取ろう、と思っていた。

「では、10パーだけ……」


 記入を済ます。

 奥から

「もう、帰ってもらいましょう」

という声が聞こえる。

「では、チウさんお帰りください」

と6パーの携帯電話を渡され、居場所のない中、帰らされた……。


 ホームレスたちと、一夜を過ごした。辛かった。

続きですう〜

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