6.最終決戦は、近い。
「エリオさんは、リナのお姉さんと同じ髪飾りを……?」
「………………」
ボクがそう口にすると、少女はうつむいて黙り込む。
どうやらこの髪飾りの存在は、彼女も知らなかったようだ。いったい、それにどのような意味があるのか。その答えを、ボクもまた黙って待った。
すると、数分の間を置いて。
リナはこう言った。
「こんなの、聞いてないよ……」
啜り泣きながら、拳を震わせて。
「これじゃ、私がバカみたいじゃない。お姉ちゃんの大切な人のこと恨んで、勝手に悩んで……」
「リナ……」
ボクが名前を呼ぶと、少女は面を上げた。
涙でくしゃくしゃになったそこに、しっかりとした眼差しをもって。リナは髪飾りを胸に、こう言うのだった。
「クレオさん。お願いが、あります……!」
強い意志を持って。
「私もエリオさんのところへ、連れて行ってください!」――と。
◆
「場所が割れたか……」
クラディオは静かにそう口にする。
傍らには、もはや獣となったエリオを従えて。彼は遠くを眺めるようにしてから、すぐに娘へと視線を落とした。
「よもや、あの娘の遺品がここまでの影響を与えようとは、な」
エリオを奈落の底へと突き落とすため、用意しただけの少女。
そのつもりだった。それなのに、いつの間にか傀儡は意志を持ち、友人――あるいは姉妹のように振舞うようになったのだ。
それをクラディオは嘲笑していたが、いまばかりは感嘆の声を漏らす。
「だが、これも一興か」
普段ならば、怒り狂うところだろう。
しかし、この時の彼は不思議と落ち着いていた。
何故ならこれから、あの憎きクレファスの小僧がやってくるのだから。
「こうなるのも、決して悪くはない。最後は、私が手ずから――」
剣を持ち、彼は笑った。
「その醜い血の流れを、止めてやろう……!」
乾いた笑い。
それは、あまりに満たされない笑い声だった。
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