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万年2位だからと勘当された少年、無自覚に無双する【WEB版】  作者: あざね
第19章

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4.好き勝手に生きて。








 宿に戻ると、談話室にアルナの姿があった。



「アルナ、動いても大丈夫なの?」

「あぁ、平気だ。別に高熱でうなされているわけでもないしな」



 ボクがソファーに腰掛けると、彼はどこか自嘲気味に笑って答える。

 互いに向かい合って、無言の時間が続いた。だけど、それもアルナの一言で破られる。



「夢を見るんだ」

「夢……?」



 訊き返すと、彼は頷いた。



「そう、夢だ。俺とエリオが、二人でお前を支える夢をな」

「ボクを、支える……?」



 ついつい言葉を繰り返してしまう。

 そんなボクに少年騎士はニヤリと笑って、こう言った。



「相変わらずだな、お前は。いまいち自覚がないってのも、それはそれでお前らしいから安心できるけどよ」

「自覚がないって、ボクは自分が強くはないことくらい分かってるよ」

「あぁ、そうだ。お前は決してエキスパートではない」



 少しムッとしたのが伝わったのだろうか。

 アルナはまた笑った。しかしすぐに真剣な表情になると、こう続けた。



「それでも、良いんだ。俺たちのリーダーになる奴は、そうやって多くの人間の価値が分かる奴でないと務まらない」

「リーダーって、ボクが?」

「前にも言っただろ、改革が始まったんだって」



 改めて言われて思い出す。

 そういえば、彼が最初にここへやってきた時に言っていた。

 騎士団になんらかの働きかけを行っていること。そして、その先にあるのはボクの登用であるようなことを。



「でも、ボクは今さら戻れないよ。それに――」

「いいや、俺は今のままでも良いと思ってる」

「え……、それってどういう意味?」



 断ろう。

 そう思って口を開くと、彼は一つ息をついてから口にした。

 その真意が分からずいると、アルナは――。



「お前は好き勝手に生きてくれればいい。好き勝手に救いたい奴を救って、自分の道を進んでくれればいい。きっとそれが、この国のためになる」



 満面の笑みで、そう言うのだ。



「好き勝手に、生きる……」





 ボクが冒険者になると決めた時、胸に抱いたものに近い。

 その言葉は、胸の中にじんと響いた。



 



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