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万年2位だからと勘当された少年、無自覚に無双する【WEB版】  作者: あざね
第18章

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3.アルナの敗北、クレオの魔法剣。








 クリムの攻撃は変則的。

 予想もしない方向からの、魔力による斬撃を加えられていた。

 現状最高の布陣として、ボクは後衛としてアルナを援護。しかし彼の剣技をもってしても、クリムのことを完全に捉え切ることはできなかった。



「ちっ……! まるで蛇みたいに、ウネウネと……!」



 ボクの治癒魔法で傷を癒し、相手との距離を測りながらアルナは言う。

 まさしく彼の言う通りだった。クリムの魔法による斬撃は、蛇のように少年騎士の首を刈らんとする。一撃喰らえば致命傷。

 それと分かる鋭さで、アルナを追い詰めていた。



「人間にしては、なかなかにやりますね。面白い……!」



 しかし、真に恐ろしいのはクリムが手加減をしていること。

 彼女は端々にそう言っては、攻撃に緩急を加えてきた。ボクの防御魔法でしのいではいるが、少しでも気を抜けば幼馴染の首は刎ねられる。

 魔族との戦い。

 それは、今までの戦いとは一線を画すものだった。



「でも、そろそろ本気を出してくださいませんか?」

「なに……?」



 その最中だ。

 クリムが突然に、動きを止めたのは。



「前衛には使えない剣士が一人。後衛の援護ナシなら、とっくに私の魔法でその命を奪われているはずなのに……」



 彼女はボクをじっと見つめた。

 アルナなど、世界最高の剣士と名高い少年には目もくれず。

 ボクはその言葉の真意をあまり汲み取れなかった。なぜならこの布陣が、現状の最高到達点だと、そう考えていたから。

 だが、それを間違いであると指摘するように。



「邪魔です、そこの雑魚は……!」

「なっ……!?」

「アルナ!!」



 一瞬の出来事だった。

 クリムの攻撃が、アルナの胴を捉えた。

 少年騎士もなにが起きたのか分からない、そういった表情でうずくまる。



「大丈夫、アルナ!?」

「悪いなクレオ、ちょっとばかし油断した」



 駆け寄って傷を看る。

 幸いなことに、それほど深くはなかった。

 だけど、血の量が多い。無理に動けば開いてしまうだろう。



「これで分かりましたか? そこの剣士」

「…………へっ」



 クリムの見下した視線に、乾いた笑いで応えるアルナ。

 だがすぐに、彼はボクを見て言った。



「クレオ、たぶん勝てるのはお前だけだ」――と。



 そして、こちらの背中をトンと押した。



「アルナ……?」

「お前は認めないだろうけどよ、俺はクレオが世界で一番だと思ってる」



 そう、言って。

 振り返るとそこには、いつもの意地悪な笑みがあった。

 ボクはそれを受けて決意を固める。幼馴染であり、剣技における目標とする相手にこう言われて、それを否定するなんてボクにはできなかった。



「分かった。この人倒したら、すぐに手当てするから」

「あぁ、早めに頼むぜ……?」



 そう口にして、壁に背を預けたアルナ。

 ボクはクリムに向き直った。




「お待たせしました」

「あら、礼儀正しいのですね」




 そして、一言謝罪してから剣を構える。

 真っすぐな戦いでは、アルナにも至らないボクの剣技だ。

 だとすれば、この窮地を切り抜けるには――。




「やはり、そうきますよね……!」





 ――これだけだ!




 構えた剣から、炎が巻き上がる。

 魔法剣――それは、剣技と魔法を修めたボクにできる、アルナを超えるための一つの手段だった。



 


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