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万年2位だからと勘当された少年、無自覚に無双する【WEB版】  作者: あざね
第18章

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86/211

2.地下の書斎での遭遇。

こ、更新遅くてすみません!

((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル









 地下通路を進むと、そこには大きな書斎があった。

 どれも湿気でダメになりかけているが、いくらかの文献は読み取ることができる。しかし書かれている文字はどれも古代エルフ文字だ。

 読めないことはないけれど、判読するまでにどれだけ時間がかかるか。



「アルナの方は、なにか見つけた?」

「いや、どれも似たようなものばかりだな……」

「そっか……」


 ボクは手当たり次第に本を手に取る。

 表題だけ見ると、どれも魔法にかかわるものばかり。しかも、禁忌とされているものばかりが目についた。

 人間の命を対価とした、悪魔の召還。

 さらには、臓物を捧げることによる魔族の使役など。


 おおよそ人間が手を出すべきではない内容ばかりだった。



「古代エルフ文字が潰えたのは、今から千年前。それを考えたらここにある文献は、その頃のもの、ってことになるのかな……?」


 分析しながらそう独り言を口にする。

 するとアルナが何かを見つけたらしく、ボクのことを手招いた。


「なぁ、クレオ。これって日記、だよな?」

「日記……? それにしては、ずいぶんと古ぼけて――」



 彼に言われて、その書物を手にした時だった。




「あら? 墓が暴かれていると思えば、侵入者がいたのですね」

「誰だ……!?」




 入口の方から、女性の声が聞こえたのは。

 ボクとアルナはともに剣を構え、息を整える。すると――。


「あら、そのように警戒されなくとも。主より命令が下っていない以上、私から手出しすることはありませんわ」

「貴方は……?」


 現れたのは、妖艶な服を身にまとった女性だった。

 手にはランタンを持ち、照らされる顔――瞳は赤く、唇には紫の紅が塗られている――には、不敵な笑みを浮かべている。

 放つ雰囲気は常人のそれではなかった。

 それだけで、ボクの頭の中には嫌な予感がよぎる。


「申し遅れました。私の名前は――クリム・レキサディナ。気軽にクリム、とお呼びいただければ幸いです」


 女性――クリムは、恭しく礼をしながら名乗った。

 普通ならこの時点で警戒を解いても良いはず。だが彼女から放たれる威圧感は、そんな楽観を掻き消すには十分なものだ。

 それはアルナも同意見なのか、剣を構えたままこう問いかけた。



「お前は、何者だ……?」――と。



 するとクリムは口角を歪めながら、ボクを見てこう言った。


「そちらの御方なら、分かっているのではないでしょうか?」

「…………」



 それに対して、こちらは息を一つついて答える。

 この膨大な魔力と、威圧感。文献でしか読んだことはないけれど、ほぼほぼ間違いないと思われた。この女性の正体は――。



「魔族、ですよね」



 そう、この場にある書物にもあった。

 魔族との契約方法。そして、僅かに読み取れた日記の一部。

 そこには、こう書かれていたのだ。



「リーディン家は、魔族との契約に成功した」――と。



 ボクがそう口にすると、クリムはまた一段と口角を釣り上げる。

 そして、くつくつと笑いながら、こう告げるのだった。






「ご名答……! では、少し遊んでもらいましょうか!!」




 


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[気になる点] 「あら、そのように警戒されなくとも。主より命令が下っていない以上、私から手出しすることはありませんわ」 「ご名答……! では、少し痛い目に遭ってもらいましょうか!!」 矛盾してませ…
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