2.地下の書斎での遭遇。
こ、更新遅くてすみません!
((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル
地下通路を進むと、そこには大きな書斎があった。
どれも湿気でダメになりかけているが、いくらかの文献は読み取ることができる。しかし書かれている文字はどれも古代エルフ文字だ。
読めないことはないけれど、判読するまでにどれだけ時間がかかるか。
「アルナの方は、なにか見つけた?」
「いや、どれも似たようなものばかりだな……」
「そっか……」
ボクは手当たり次第に本を手に取る。
表題だけ見ると、どれも魔法にかかわるものばかり。しかも、禁忌とされているものばかりが目についた。
人間の命を対価とした、悪魔の召還。
さらには、臓物を捧げることによる魔族の使役など。
おおよそ人間が手を出すべきではない内容ばかりだった。
「古代エルフ文字が潰えたのは、今から千年前。それを考えたらここにある文献は、その頃のもの、ってことになるのかな……?」
分析しながらそう独り言を口にする。
するとアルナが何かを見つけたらしく、ボクのことを手招いた。
「なぁ、クレオ。これって日記、だよな?」
「日記……? それにしては、ずいぶんと古ぼけて――」
彼に言われて、その書物を手にした時だった。
「あら? 墓が暴かれていると思えば、侵入者がいたのですね」
「誰だ……!?」
入口の方から、女性の声が聞こえたのは。
ボクとアルナはともに剣を構え、息を整える。すると――。
「あら、そのように警戒されなくとも。主より命令が下っていない以上、私から手出しすることはありませんわ」
「貴方は……?」
現れたのは、妖艶な服を身にまとった女性だった。
手にはランタンを持ち、照らされる顔――瞳は赤く、唇には紫の紅が塗られている――には、不敵な笑みを浮かべている。
放つ雰囲気は常人のそれではなかった。
それだけで、ボクの頭の中には嫌な予感がよぎる。
「申し遅れました。私の名前は――クリム・レキサディナ。気軽にクリム、とお呼びいただければ幸いです」
女性――クリムは、恭しく礼をしながら名乗った。
普通ならこの時点で警戒を解いても良いはず。だが彼女から放たれる威圧感は、そんな楽観を掻き消すには十分なものだ。
それはアルナも同意見なのか、剣を構えたままこう問いかけた。
「お前は、何者だ……?」――と。
するとクリムは口角を歪めながら、ボクを見てこう言った。
「そちらの御方なら、分かっているのではないでしょうか?」
「…………」
それに対して、こちらは息を一つついて答える。
この膨大な魔力と、威圧感。文献でしか読んだことはないけれど、ほぼほぼ間違いないと思われた。この女性の正体は――。
「魔族、ですよね」
そう、この場にある書物にもあった。
魔族との契約方法。そして、僅かに読み取れた日記の一部。
そこには、こう書かれていたのだ。
「リーディン家は、魔族との契約に成功した」――と。
ボクがそう口にすると、クリムはまた一段と口角を釣り上げる。
そして、くつくつと笑いながら、こう告げるのだった。
「ご名答……! では、少し遊んでもらいましょうか!!」




