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万年2位だからと勘当された少年、無自覚に無双する【WEB版】  作者: あざね
第18章

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85/211

1.リーディン家の役割。

ここから18章です。










「それで、いまエリオさんはどこにいるか分かるの?」

「分からない。それでも、思い当たる節はある」

「思い当たる節……?」




 マキの治癒魔法での完治を待ってから、ボクとアルナは街に出向いた。

 彼曰く、リーディン家には昔から大切にしている土地がある、という話だ。それが王都の中でも貧困街方面にあるのは、少し意外ではあった。

 けれどアルナの情報以外に、手掛かりはない。

 そのためボクは、あまり口を挟むことはなかった。



「でも、ここって……」



 それでも、たどり着いた場所に思わず眉をひそめる。

 何故ならそこは――。



「あぁ、そうだ」

「どうして、ここに……?」



 朽ち果てた、今ではもう使われていない墓場だったのだから。

 墓荒らしがあったのだろう。いくつかの墓石は、無残なまでに破壊されていた。手入れもされていなければ、誰にも覚えられていない。

 そんな悲し気な空間だった。



「リーディン家は騎士の家系であると同時に、墓守の家系でもあったんだ。もっとも、魔王側についたことによって、押し付けられた役割だがな」

「…………そう、だったんだ」

「いくぞ、クレオ」



 雑草の生い茂る、けもの道を進む。

 アルナは短剣を使って、ツタなどを斬っていった。そして――。



「ここ、だな」

「アレクサンダー・リーディン――ここに眠る?」



 立ち止まったのは、中でもひときわ大きな墓石の前。

 刻まれた名前からして、それがエリオさんの祖先のものだと分かった。よく見れば、他のそれらよりも手入れがされている。

 とはいっても、数年は放置されているに違いなかったが……。



「……少しばかり、気は引けるが。勘弁してくれよ、っと!」

「え、ちょ! アルナ!?」



 そんなことを考えていると、突然にアルナは墓石に手をかけた。

 そして、勢いよく墓を暴いたのだ。すると――。



「えっ……!」



 次の瞬間、ボクは目を疑った。

 だって、そこには……。




「地下通路、だって……!?」






 まだ、使用されて間もないのだろう。

 いくらか綺麗な階段が、続いていたのだから。



 


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