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万年2位だからと勘当された少年、無自覚に無双する【WEB版】  作者: あざね
第16章

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5.クラディオの暗躍。

少しだけ回復(体調が


あとがきに、追記。

リハビリ感覚で新作書きました。

応援よろしくです<(_ _)>








 クラディオ・リーディン。

 取り潰しとなったリーディン家、その最後の当主。

 つまりはエリオさんの父親であり、最もクレファス家を恨む者だった。そんな彼が今もなお、裏で手を引いているのだとしたら……。


「エリオさんに、いったい何を……?」


 ボクはしばし考え込む。

 彼女はたしかに、アルナへの復讐を目的としていた。しかし、これまでの日々で少しずつ、その思いは薄れていったはずなのだ。

 それが、何を契機として顔を出したのか。


「クラディオは、すでに王都に潜んでいる」


 その可能性が高いだろう。

 ボクは一つ息をついてから、エリオさんの寝ている部屋の扉を開けた。


「エリオさん、体調は――」



 でも、もう少し気を配るべきだったかもしれない。



「――エリオ、さん?」



 彼女の姿はなかった。

 窓が開け放たれており、カーテンが風に揺れる。

 そして、部屋の中央に忘れ去られたかのように残されたのは……。



「これは、髪飾り……?」



 一つの、綺麗な髪飾りだった。

 拾い上げると、どこか不思議な魅力があるのが分かる。

 これと似たものをどこかで、以前に見たような気がした。



「……! それよりも!」



 ボクは止まっていた思考を働かせ、部屋を飛び出す。

 髪飾りを手にして、再び姿を消した仲間を探しに向かうのだった。





「エリオよ。お前の剣技は間もなく、世界最高のそれに到達する」

「…………」



 かしずくエリオに、一人の男性が語り掛ける。

 彼女は黙って頭を垂れて、呼吸を荒く、それを聞いていた。



「はっはっは、もはや声も出せぬか? 精神の浸食はシンデリウスの得手とするところだったが、それも工夫すれば容易く超えられようというものだな」



 男性――クラディオは、娘を見下ろして笑う。

 そして、その後方に控えていた一人の女性に声をかけた。



「そろそろ、頃合いではないか?」――と。



 仮面をつけた女性。

 その人物は無言でうなずいて、ゆっくりとエリオに歩み寄った。

 肩に手を置いて、耳元で何かを囁く。すると、



「――――っ!?」



 エリオの肩が大きく弾んだ。

 瞬間、上を向いた顔には苦悶の表情が浮かんでいた。

 そんな娘を見て、クラディオは最後に告げる。



「さぁ、いよいよだ。私の作り上げた最高傑作よ――」




 娘を娘と思わぬ口ぶりで。




「今こそ、リーディン家への恩義を果たすのだ」――と。



 


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下記のリンクから飛べます! 勘違い系です!!



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