5.クラディオの暗躍。
少しだけ回復(体調が
あとがきに、追記。
リハビリ感覚で新作書きました。
応援よろしくです<(_ _)>
クラディオ・リーディン。
取り潰しとなったリーディン家、その最後の当主。
つまりはエリオさんの父親であり、最もクレファス家を恨む者だった。そんな彼が今もなお、裏で手を引いているのだとしたら……。
「エリオさんに、いったい何を……?」
ボクはしばし考え込む。
彼女はたしかに、アルナへの復讐を目的としていた。しかし、これまでの日々で少しずつ、その思いは薄れていったはずなのだ。
それが、何を契機として顔を出したのか。
「クラディオは、すでに王都に潜んでいる」
その可能性が高いだろう。
ボクは一つ息をついてから、エリオさんの寝ている部屋の扉を開けた。
「エリオさん、体調は――」
でも、もう少し気を配るべきだったかもしれない。
「――エリオ、さん?」
彼女の姿はなかった。
窓が開け放たれており、カーテンが風に揺れる。
そして、部屋の中央に忘れ去られたかのように残されたのは……。
「これは、髪飾り……?」
一つの、綺麗な髪飾りだった。
拾い上げると、どこか不思議な魅力があるのが分かる。
これと似たものをどこかで、以前に見たような気がした。
「……! それよりも!」
ボクは止まっていた思考を働かせ、部屋を飛び出す。
髪飾りを手にして、再び姿を消した仲間を探しに向かうのだった。
◆
「エリオよ。お前の剣技は間もなく、世界最高のそれに到達する」
「…………」
かしずくエリオに、一人の男性が語り掛ける。
彼女は黙って頭を垂れて、呼吸を荒く、それを聞いていた。
「はっはっは、もはや声も出せぬか? 精神の浸食はシンデリウスの得手とするところだったが、それも工夫すれば容易く超えられようというものだな」
男性――クラディオは、娘を見下ろして笑う。
そして、その後方に控えていた一人の女性に声をかけた。
「そろそろ、頃合いではないか?」――と。
仮面をつけた女性。
その人物は無言でうなずいて、ゆっくりとエリオに歩み寄った。
肩に手を置いて、耳元で何かを囁く。すると、
「――――っ!?」
エリオの肩が大きく弾んだ。
瞬間、上を向いた顔には苦悶の表情が浮かんでいた。
そんな娘を見て、クラディオは最後に告げる。
「さぁ、いよいよだ。私の作り上げた最高傑作よ――」
娘を娘と思わぬ口ぶりで。
「今こそ、リーディン家への恩義を果たすのだ」――と。
https://ncode.syosetu.com/n3852gf/
下記のリンクから飛べます! 勘違い系です!!




