2.リナの気持ち。
あらすじの通りです!
書籍化決定しました!!
「とりあえず、一命は取り留めたって」
「そうですか……」
マリンにも助けを求め、マキと二人でエリオさんに治癒魔法をかけてもらった。その甲斐あって、呼吸も安定。脈も落ち着いてきたし、回復まではそう時間がかからないだろうと思われた。
リナにそう告げると、彼女は心の底からホッとした表情を浮かべる。
そんな少女の顔を見て、ボクは気になることがあった。
「ねぇ、リナ? 一つ訊いても良いかな」
「はい、なんでしょう?」
勘違いならそれでいい。
ボクは、そう思いながらも訊ねた。
「もしかして、エリオさんって――リナにとっての、仇なの?」
それは今日の昼に話していたこと。
もし仲間が誰かの仇だったら、どうするかという問いかけについてだった。ボクにはそれが引っかかっている。なぜなら――。
「エリオさんを見るリナの目が、どこか悲しそうだったから」
「………………」
そう、だった。
リナはエリオさんが傷つき倒れた時、どこか違和感のある表情を浮かべたのだ。言うなれば安堵とでも表現できるだろうか。
そして今、彼女の命が助かったことを聞いて少女は――。
「安心したような、それでいて複雑な気持ちかな? ――ボクは少しだけ心理学もかじってたから、時々だけど相手の気持ちが分かるんだ」
ボクの言葉に、リナは苦笑いを浮かべた。
ここまできたら隠せない、そう思ったらしい。
「これは、クレオさんにだけお話します」
そう言って、彼女は自身の過去を話し始めた。
前書きの続き。
ここまでこられたのも、読者の皆様のお陰です!
今後ともよろしくお願いいたします<(_ _)>