1.アルナの記憶。
「親父! それはどういうことだよ!!」
「何度も言わせるな、アルナ。お前に負けたことで、リーディン家は取り潰しになるのだ。これは国王陛下が定めたことであり――」
「バカ野郎!? だから、どうしてそれを先に言わなかった!!」
アルナは父に詰め寄った。
それもそのはず。自身の決闘の結果、リーディン家が没落するなど――当時のアルナは知らなかったのだから。彼はただ純粋に、剣士の誇りをかけた戦いと聞かされていた。
そのはず、だったのに。
すべてが終わってから、真実を聞かされた。
憤慨して然るべき状況だった。
「それじゃあ、アイツはどうなるんだよ……!」
「アイツ? 誰のこと――」
「惚けるんじゃねぇ!! エリオ・リーディンのことだよ!!」
ただそれ以上に、アルナには腹立たしいことがある。
エリオのことだった。彼は先の決闘で、彼女の剣技に感服した。
自分とは違い、基本に忠実――それ故に穴はあったが、それを除けば自分と並び立つ初めての相手。アルナはあの少女が好敵手になると、そう思っていた。
だが、それはもう――。
「もう遅い。リーディンの奴らは、すでに王都を去った」
「…………っ!?」
――叶わない。
もう、何もかもが手遅れだった。
小さな少年だったアルナには、何もできない。
「いいな。此度のことは忘れろ。それがお前のためであり――」
彼の父は、どこか無感情な声で告げる。
「我ら、クレファス家のためでもある」――と。
◆
「あぁ、畜生……」
アルナは、医務室で手当てを受けながら眠っていた。
致命傷にこそならなかったが、少年騎士はらしくない深手を負ったのだ。しかし彼は悪態をつきながら、その身を起こす。
周囲の者を下げさせ、窓際に立つ。
そして、こう呟いた。
「クレファス家の責任は、俺が取る」
静まり返った一室に響く声。
アルナの瞳には、たしかな決意が宿っていた。
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ざまぁの反動で、甘々が書きたくなりました。
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