75/211
4.襲撃者の結末。
もうちょっと描写増やしたかったけど。
――剣の打ち合う音だけが響く。
流れるような美しい剣筋なのは、襲撃者。対して意表を突くような角度から剣を振るうのは、アルナだった。二つの異なる、しかし共に芸術的な戦い。
観客がいないことが残念に思われるほどに、惚れ惚れとする剣舞だった。
「ふっ――!」
アルナの一打。
襲撃者の一打。
ともに、重さは等しいだろう。
時折漏れる息遣いに、二人の喜びさえも透けて見えた。
「ずいぶんと、腕を上げたじゃねぇか」
「…………」
鍔迫り合いになった、その時だ。
アルナは、相手の名を口にした。
「……エリオ」
◆
嵐の中、ボクたちは走っていた。
ただただ胸に嫌な予感がある。しかし誰もそれを口にはせず、ある人の家を目指していた。
「…………あ!」
その道中のこと。
ボクらの前に、傷を負った人物が現れた。
駆け寄り、倒れこんだ彼女の傷を確認する。そして、
「大丈夫ですか、エリオさん!」
その名を叫んだ。




