1.とある少女のこと。
いつか再編集したい。
_(:3 」∠)_
――暗闇の中で、一人の少女が泣いている。
ただ一人の肉親であった姉の、その亡骸の前で。
姉は王都からやってきた貴族の家に、奉公に出て働いていた。
「お姉ちゃん、お姉ちゃん……!」
ただ、それだけだったのに。
どうして、自分の大切な姉は殺されたのか。
胸を貫いた刃の跡が生々しく残っている。少女はそこに触れて、苦しかったであろうと、無念であっただろうと、語りかけるようにして泣くのだ。
そうすると思い出されるのは、姉の亡骸を運んできた女のこと。
「あの人が、お姉ちゃんを……」
その人は言っていた。
『アタシが、この子を殺したの』――と。
ハッキリ、そう少女に告げたのだ。
顔までは分からなかったが、声だけはしっかりと覚えている。
あまりにも冷淡で、無感情なものだった。その冷酷さをもってして、きっとあの人は姉を殺したのだ。そうに違いないと、年を重ねる毎に思うようになった。
「許さない……」
姉の形見だという、綺麗なかんざしを握りしめ。
少女は、その女の名を口にした。
「エリオ・リーディン……!」
少女はそう口にして、生まれ故郷である里を出る。
すべては、復讐を果たすため。
「待っててね、お姉ちゃん。わたし、必ず――」
時は満ちた。
これまで、すべての時間をこのために費やしてきた。
「――仇を、取るからね?」
彼女の声は、風に攫われ消えていく。
そして次の瞬間、その姿さえも見えなくなった。




