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万年2位だからと勘当された少年、無自覚に無双する【WEB版】  作者: あざね
第9章

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5.一つの歴史の終わり。






「クリス……?」

「すまないな、クレオ。しかし、ここから先は私が請け負わせてもらう。お嬢さまが大切にしている者を、私たち同様の外道に落とすわけにはいかない」


 ボクがカオンにトドメを刺そうとした時。

 それを止めたのは、クリスだった。彼は足を引きずり、瞳の力を失いながらも、ただ真っすぐにボクたちの方へとやってくる。

 手には一本のナイフ。

 ゆらりと、薄暗い空間でも煌めくのが分かるそれ。


「…………分かった」


 彼の表情を、浮かぶ笑みを見て。

 ボクは小さく頷いた。カオンが逃げないようにだけ気を遣い、少年に引き渡す。

 カオンは目を見開いて歯を食いしばる。悔しげな顔をしながら口にしたのは、命乞いとは違う、命令とも取れる言葉だった。


「良いのか、クリス! 私が死ねば、貴様の心臓も動きを止める! ――呪術による契約を解除するつもりはないぞ!」

「………………」


 さらに言えば、脅迫。

 だがクリスは黙ったまま、動きを止めることなく得物を掲げた。

 そして、静まり返った空間によく通る声で、主であった者に告げる。


「構わない。それこそが、私にできるせめてもの恩返し。そして――」



 視線をひときわ、鋭くして。



「私という命、その意味だ」――と。



 振り下ろす。

 ナイフを、カオンの心臓目がけて突き立てる。

 抉るようにして、その生命を断つために、殺めるために。


「――――がっ!?」


 シンデリウス家当主は、血の塊を吐き出した。

 そして逆らうようにクリスの腕に触れたところで……。



「終わった、のか……?」



 力なく、それは垂れ落ちた。

 クリスもゆっくりと、力を緩めて頷いた。


「あぁ、これで呪いの一族は――」




 すべてが終わった、と。

 クリスの宣言をもって、一つの歴史に幕が下ろされた。


 


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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。待ってました。 つい、見入ってしまいました。 クリスはこのまま死んでしまうのでしょうか? これも暗殺者の末路と言えばそれまでですが・・・
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