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万年2位だからと勘当された少年、無自覚に無双する【WEB版】  作者: あざね
第8章

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3.親友であり、姉妹。

ちょっとだけキツイ展開。

明日以降で挽回します。







「わたくしは、一人じゃない……?」




 クレオの背中を見ながら、マリンは小さくそう呟いた。

 それは、思いもよらない言葉。自分は誰にも認められていないと、そう思い込んでいた彼女には、まるで信じられないものだった。

 それでも、他でもない彼――クレオの言葉だ。

 マリンの中で、彼への信用は一線を画している。


「みんなを、信じて……」


 次いで浮かんできたのは、親友である少女の言葉だった。

 マキはどんな思いでこう言ったのだろう。いまも生死の境を彷徨っている彼女は、自分のことを親友だと言ってくれた彼女は、どんな思いで……。



「わたくし、は……!」



 強く歯を食いしばった。

 胸の奥底にある呪縛から解き放たれようと、マリンは必死になる。


「一人じゃ、ない……!」



 そしてもう一度、そう口にした時だった。

 なにかが、聖女の皮を被せられた普通の少女の中で、弾け飛んだ。



「ゴウンさん、少しどいて下さいまし!」

「お、おう……!」



 ――迷うのは、後でも良い。

 ただ、いまは動かなければ絶対に後悔する。


「謝罪は後で致します。ただ、少しだけ猶予を下さい……!」


 マリンはそう言って、マキへと治癒魔法を施した。

 淡い光が幼い少女を包み込む。自分は決して、本当の聖女ではない。それでも治癒魔法に関しては、人一倍の努力を積み重ねてきた。

 その理由は何だったか。

 たしか、幼い日にクレオが転んで怪我をしたから、だったか。


「マリン、さん……」

「マキ……?」


 そう考えていた時だった。

 マキが、薄らと目を開けてこう口にしたのは。


「マリンさんは、僕のお姉ちゃん、だったですね……」

「マキ、喋らないで……!」

「すごく、嬉しいです。僕ずっと、お姉ちゃん欲しかったですから」

「お願い、お願いだからもう何も……!」


 マリンはマキの手を取る。



「えへへ……。でも今はちょっと、眠たいですね……」

「え……?」



 その次の瞬間だった。



「マキ……?」



 幼い少女。

 彼女の可愛らしい義妹であり、親友の手が。






「うそ、ですわよね。マキ…………?」






 ――スルリと。

 まるで、細かい砂のようにこぼれ落ちたのは……。



 



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― 新着の感想 ―
[一言] うーん…。 ヒューマンドラマばかりですね…。
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