10.無力。
あとがきの作品もよろしくです。
「まさか、まだ生きてる……!?」
『ご明察だァ! オレサマは少し特殊でなァ、上半身が的で良かったぜ?』
ボクの驚きに対して、ドルニクの声はそのように答える。
上半身が的で良かった、というのはどういう意味か。それを考えるより先に、彼はさらに恐ろしい動きをしてみせた。
「再生、している……?」
ドルニクの上半身は、間違いなく消し飛んでいる。
しかし残った下半身がピクリと動くと、そこから蠢くようにして身体が再生を始めたのだ。それはまるで時間をさかのぼるようにして。あまりの異様さに、ボクは思わず眉をひそめてしまった。
すると、そんな反応すらも面白いのか。
魔族の四天王、その一角は低く笑いながらこのように言うのだった。
『あァ、並の魔族だったら弾け飛んでいただろうよォ? だがなァ――』
全身が完全に回復。
その強面に、邪悪な色を浮かべながら。
「あいにく、オレサマは四天王でも最強だァ! 誰一人として、本当の意味でオレサマを殺せる
奴はいねェ!! そして、それはァ――」
一瞬でボクの目の前に、間合いを詰めてきた。
とっさに防御魔法を行使するが、
「お前もだァ!!」
「ぐ、あ……!?」
間に合わない。
防御壁はいとも容易く破壊され、ボクは遥か後方へと吹き飛ばされた。打ち所が悪かったのか、視界が明滅を繰り返す。赤く染まっていく世界に、力尽きる仲間が見えた。
このままではみんな、あの魔族に殺されてしまう。
守らなければ、みんなが――。
「く、そ……!!」
それなのに、力が入らない。
ボクは本当に中途半端で、何をやっても不完全だった。
それでも誰かの力になれると信じて、ここまで頑張ってきたのに。ボクは――。
『――ようやく、繋がったか』
その時だった。
無力さを感じた時に、そんな声が頭の中に響いたのは。
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