表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
206/210

8.弱者の戦い方。

あとがきより、本日開始した新作に飛べるリンクあります。

面白そうだ、と少しでも思っていただけましたらブクマなど。

励みになります。







「魔族の、四天王……ドルニク・オルディン?」

「あァ、そうだ! オレサマは魔族のトップ四人が一人、すなわち――」




 魔族ドルニクは、哄笑を上げながらこう言った。



「最強の一角、ってことだァ!」

「く……!?」



 その直後に、森の空気全体が明らかに重くなるのを感じる。

 膝に力を入れていないと、立っていられないほど。ボクは他のみんなが大丈夫かを肩越しに確認するが、どうやら各々にどうにか堪えているらしい。エスカリーテが無事なのは意外だったけど、それでも治癒担当が残ってくれるのはありがたかった。

 そうであれば、ボクも前だけを見て戦える。



「ほう……面白れェじゃねェか。オレサマの気を当てられて、ぶっ倒れねェなんてよ? 人間は弱体化の一途をたどってる、とか聞いてたが、嬉しい誤算だなァ!!」



 だが勝算があるかは、また分からなかった。

 それとこれとは別問題だろう。少なくとも戦えるだけで、みんなの力が通用するかは分からない。それこそ以前に戦ったオドのように、規格外の傑物というのは存在していた。

 仮にあの時のみたいに、ボクの身に何か起これば別だけど……。



「もしも、の可能性に賭けるなんて、クレオらしくないですよ?」

「……リリアナ」



 すると、そんな弱気を見抜いたのか。

 幼馴染みの王女は静かに言うと、ふっと小さく呼吸を整えた。そして、



「戦力的に、こちらが負けているのは明らかです。それでも、そのことを理解しているのであれば、戦い方はあるでしょう?」

「……あぁ、そうだね」



 そのアドバイスに、ボクはようやく冷静になる。

 そうだ。こういう時の戦い方、つまり逆転の可能性はまだある。

 個々の力で敵わないのであれば、それらを集めて一つにしてしまえば――。



「――みんな、ボクの作戦を聞いてほしい」




 そう考えて、覚悟を決めた。

 あの魔族を退けるには、この手しかないだろうから。







「さァて? そろそろ、おっぱじめるとする――――あ?」




 ドルニクは相手の様子をうかがいながら、いよいよ戦闘態勢に移ろうとした。

 だが、それよりも先に動いたのは――。



「喰らえ……『エクスプロード』ッ!!」



 クレオだった。

 彼は詠唱を破棄した爆裂魔法をドルニクへ放った。

 しかし詠唱を省略している故に、魔法の威力は半減以下と考えて良い。ドルニクは足元に着弾したそれを容易く回避し、巻き上がった土煙に顔をしかめた。

 時間稼ぎのつもり、あるいは逃げるためか。

 いずれにせよ、ドルニクにとっては拍子抜けだった。だが、



「…………おォ、なんだァ?」




 煙が晴れた後、視界に入った光景に。




「はっ……! そういうことかァ?」




 一ヶ所に集合している相手を見て、彼は歓喜に口角を歪めたのだった。

 戦力に劣る側に取れる手段は、限られている。

 そう、例えば――。






「――初撃必殺! いいぜェ、こいよ現代の人間たちよォ!?」






 ドルニクはそう叫んで、迎撃姿勢を取る。

 そして、リリアナを中心とした陣形から眩い光が放たれた――!!




 


https://ncode.syosetu.com/n4661kx/

応援よろしくお願いいたします。



面白かった

続きが気になる

更新がんばれ!




もしそう思っていただけましたらブックマーク、下記のフォームより評価など。

創作の励みとなります!


応援よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ