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7.襲撃。

あとがきより、本日開始した新作に飛べるリンクあります。

面白そうだ、と少しでも思っていただけましたらブクマなど。

励みになります。







「穢れ、ですか……?」

「その通りだ。おそらくキーン、そしてアリアのような若い者には分からないだろう。奴らは想像以上に上手く擬態した上で、人間の営みに潜り込むからな」

「…………」



 長の言葉に、キーンは思わず黙り込む。

 それはもちろんクレオの妹、エスカリーテの中に入り込んでいる魔族がいることを知っているから。ただ彼が信じているその魔族は、卑怯な真似はできない性格のはずだった。当然ながらあの夜の会話だけで、すべてを理解したわけではない。

 それに青年は、その魔族から特別な情報を得ていた。



「人魔戦争……」

「……ふむ、キーンよ。どうしてお前が、いまその単語を出す」

「キーン……?」



 ものは試しと、キーンはその言葉を口にしてみる。

 すると長は眉をひそめて反応し、事情を知らないであろうアリアは首を傾げた。ただいずれにせよ、まだ話し合いや、事実や情報の擦り合わせは可能らしい。

 そう考えた彼は大きく息をついてから、意を決して長にこう訊ねた。



「無礼は承知でうかがいます。長、教えていただきたいことが――」



 だが、その時だ。



「大変です、長! 森に瘴気が!?」

「なに……!?」



 一人のエルフが血相を変えて飛び込み、そう声を上げたのは。

 長はそのことにほんの少しの驚きを見せた後、キーンとアリアに告げた。



「すまないが、話はまた次の機会だな。客人にも協力を仰ごう」







「瘴気、ですか……!?」



 瘴気というのは、魔族の領域に多く存在する毒のようなもの。

 少なくとも人体に好影響はなく、森の妖精であるエルフにとっては紛うことなき猛毒だった。キーンとアリアさんからの報告を受けて、急いで外に出るとそこには――。



「く、これは……!!」



 力なく倒れるエルフの戦士たち。

 彼らは各々に抵抗しながらも、やがてゆっくりと意識を奪われていった。残っているのは屋内に退避しているであろう長たちと、アリアさん。

 そしてどういうわけか、キーンだけは顔をしかめる程度で済んでいた。

 ボクらはそんな周囲の様子を確認しながら、敵の気配を探る。

 すると、





「がっははははははははは! なんとも呆気ねぇぜェ!?」





 森に響いたのは、そんな男の哄笑だった。

 各々に武器を構えると、そのタイミングで木々の間から一人の男が姿を現す。




「こんなことなら、四天王のオレサマが出る必要はなかったなァ?」




 全身が凶器のように、鍛え上げられた肉体。

 肩口から腕先までは獣の毛のようなものが生えており、おおよそ人間の類ではないのは明らかだった。豪快な口調に相応しく、強面な顔に鋭い牙。側頭部には猛牛を思わせる角が二本あった。――四天王という言葉を考えれば、この男は間違いない。



「魔族、か……?」

「……あァん? そうだなァ、自己紹介しとくかァ!!」



 こちらの声に、その魔族は口角を歪めながら頷いた。

 そして大きな笑い声を響かせてから、堂々と名乗りを上げるのだ。




「オレサマの名は、ドルニク・オルディン! 憶えておきやがれ!」――と。




 


https://ncode.syosetu.com/n1469kx/

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面白かった

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