表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
万年2位だからと勘当された少年、無自覚に無双する【WEB版】  作者: あざね
第34章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

201/211

3.外から見たキーンとアリア。

新作もよろしくお願いします!!

あとがきの下から!!






「あの、さ……キーン?」

「……はい、なんでしょう。クレオさん」



 エルフの村があるという森に足を踏み入れてしばらく。

 ボクは最後尾をトボトボとついてきているキーンのもとへ向かい、抑え気味な声で訊ねた。



「改めて確認なんだけど、アリアさんはキミの幼馴染み、なんだよね?」



 すると彼は、酷くやつれた表情で頷く。

 そして沈んだ声色で、このように説明を始めるのだった。



「はい……彼女はエルフの村、そこの長老の娘なんです。私とは生まれた頃からずっと一緒にいて、幼馴染みといって間違いありません」

「それにしては、なんというか……こう……」

「あー……言いたいことは、何となく分かります。クレオさんとリリアナ王女の関係とは、まるで違いますからね」

「…………うん」



 言いにくそうにしているのを察してくれたのか、キーンは苦笑して言う。

 前を見ると、自慢げに話すアリアさんの姿があった。その隣には、心の中では何を考えているのか分からないリリアナが、笑顔で頷いていた。

 どうやらまだ、彼女が王女であるということはバレていないらしい。

 もっともバレても対応が変わるかは疑問だが、少なくとも王族は邪険に扱われないはずだった。


 そこまで考えてから、ボクは頭の中をいまの話題に戻す。

 たしかに一口に幼馴染みといっても、関係は色々だと思うのだけど……。



「なんというか、もはや熟年夫婦のように見えるよ……?」

「私はアリアに物心ついた頃から、尻に敷かれていましたから。そのように見えて当然、ですかね。……幼少期からの関係というのは、なかなかどうして難しいですよ」

「……なるほど、ね」



 ボクはキーンの言葉を聞いて、思わず苦笑いした。

 たしかに、自分とリリアナの関係を思い起こしても大差ないように思う。幼い頃の関係というのは、ありがたい反面で難しいのは、こちらだってよく理解できていた。

 しかし、どうしてだろう……。



「だけど、アリアさんはどこか――」



 ボクは素直に、思ったことを口にする。



「キーンのことを見て、とても嬉しそうにしてたように思うよ?」――と。



 真っ先に殴ったのは、もしかしたら愛情の裏返しなのではないか。

 そう思ったのは、彼女がそれだけキーンに対して真っすぐに、真剣に気持ちを向けていたから。簡単にいえば、言葉にしないとしてもそれだけ彼のことを心配していた、ということだ。

 ボクが感じただけで、実際は違うのかもしれない。

 ただ、当のキーンの考え方は異なるようで――。



「えー……アレはきっと、ストレスの捌け口がなかったからですよ」



 心の底から面倒くさそうに言った。

 すると、その直後に――。



「あが!?」

「何かいま、アタシの悪口が聞こえた気がした」

「………………」



 前方から、アリアさんが小石を全力投球。

 それは見事にキーンの鼻っ面を捉え、彼は撃沈した。



「……まぁ、色々だよね。あはは」




 もしかしたら、本当にボクの勘違いかもしれない。

 そう思うことにして、とりあえずキーンに治癒術を施すのだった。


 


https://ncode.syosetu.com/n7097kl/

新作も応援よろしく!!

下記のリンクから飛べますので、ブクマ、★評価など。

創作の励みになります!


応援よろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ