10.追憶の終わりに。
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「――って、リリアナ様も加害者じゃないですか!?」
「加害者とは失礼ですね、キーンさん?」
「でも、もはや殺人未遂……」
キーンのツッコミにリリアナが憤慨し、ミトスが困ったように笑う。
たしかに、いま思えば王女も一緒になってマリンの料理の腕に苦笑する流れではあった。しかしながら現実としては、そのリリアナ本人もまた……うん、難儀している。
だけど彼女は、やはり不服なのか子供のように頬を膨らせて言うのだ。
「そこまで言うのでしたら、今すぐにでも作りましょう!」
「謹んでご遠慮いたします」
「まだ生きていたいです」
「治癒術師いないよ?」
「もう、男性陣は三人揃って失礼ですね!?」
するとボクらは言葉こそ違うが、拒絶の意を示す。
リリアナはこちらの態度にさらに感情を露わにして、腕を組んで不貞腐れてしまった。そして少し、寂しそうな声になってこう口にする。
「……クレオのために、頑張ったのに」
「え……?」
おそらく、彼女のそれを聞き届けたのは自分だけ。
そのことには王女も気付いたのか、周囲に気取られないようにしながら小声でこう付け加えた。
「私、頑張ったんです。……その、クレオに『美味しい』って言ってほしくて」
「リリアナ……」
珍しく、頬を赤らめて。
ボクはそんな幼馴染みの姿を見て、自分の態度を反省した。
その上で一つ、覚悟のようなものを決めて答える。
「だったら、この旅が終わったら食べさせてよ」
「……え、でもさっき――」
「あぁ、でもマキも一緒が良いな。マリンだとちょっと、うん」
「もう……!」
そして冗談交じりに告げると、またリリアナは怒ったような表情に。
だがしかし、すぐに柔らかく笑うと――。
「……絶対に美味しい、って言わせますから」
そう、恥ずかしそうに言うのだった。
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