表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
万年2位だからと勘当された少年、無自覚に無双する【WEB版】  作者: あざね
第33章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

192/211

4.処刑台にいるかのような。

帰って参りました。

あとがきの新作も、よろしく。







「さあ、突然に始まりました! リリアナ王女と聖女マリンの料理対決!!」

「審査員のクレオさん。いま、どのような気持ちですか!?」

「細いボロボロの吊り橋の上で、逆立ちしてる気分です……」



 ボクの冷や汗をよそに、他の生徒たちはお祭り騒ぎ。

 何やら賭け事を始める者もいれば、各々のファンらしい軍団がエールを送ったりしていた。いまや王都立学園の中心人物である二人の対決に、みんなして悪ノリしている。

 いつの間にか設営された解説席の隣に座らされて、ボクは表情筋が凍り付いていくのを感じていた。そうしていると、見かねたらしい解説担当のアクア先輩が声をかけてくる。



「あらあら。クレオくん、顔が真っ青よ? どうしたのかしら」

「……訊かなくても、分かるでしょう」



 いいや。見かねてというより、この人は面白がっている。

 くすくすと口元を隠して笑っているけれど、何故か意地悪な表情が透けて見えた。アクア先輩はこの学園で最も料理の腕が高く、いずれは王宮料理長の座に就くとされている。また一番弟子のリリスも素質十分で、二人の作るそれらは舌が蕩けるほどだった。



「そんなに、なのかしら。二人とも貴方を想って作ってくださるのに」

「もしかしてですけど、最高の調味料は『愛』です……とか言うつもり、ですか? そのつもりなら、ボクから断言しますけど――」



 そんな料理のことを走馬灯のように思い出しつつ。

 同時にボクは、幼少期に喰らった彼女たちの料理モドキを想起するのだった。



「『愛』で美味くなるなら、料理人は不要です……!」



 そして、断言する。

 自分だってそんなこと、言いたくはなかった。

 綺麗事だろうと、真心さえあれば良いのだと口にしたい。だけどボクは幼少期から幾度となく、文字通り血を吐くほどの辛酸を舐めてきた。時には救急治療にかかり、生死の境を彷徨ったことさえある。それほどまでに、二人の料理は劇薬なのだ。

 たとえ悪人と呼ばれても良い。

 外道だと、人でなしだと罵られても構わなかった。



「正直なところを言うと、今すぐ二人の調理道具から何もかもを破壊したい」



 だから、ついついそんな言葉が出る。

 これは決して理性によるものではなかった。むしろ、そう『生存本能』だ。



「あら、そう言うなら逃げればよろしいのでは?」

「こんな拘束具で身動き封じながら言わないでください!!」

「ふふふふ、そんなに怖がらなくても大丈夫ですよ」

「他人事だと思って!!」



 なのに、逃げられない。

 ボクは死にたくない感情と、既知の恐怖に対する涙でぐちゃぐちゃだった。情けなくも鼻水を啜るしかなく、顔を拭うことすら許されない。

 自分はもう、死地に立たされている。

 もしくは処刑台に首を入れている状態のようだった。



「……安心なさいな。大丈夫です」

「アクア、先輩……?」



 しかし、取り乱すこちらに対して。

 アクア先輩は至って平静に、こう諭すのだった。




「二人はきっと、成し遂げます」――と。


 


https://ncode.syosetu.com/n3734jk/

新作もよろしく(*'▽')ノ

下記のリンクから!!




面白かった

続きが気になる

更新がんばれ!




もしそう思っていただけましたらブックマーク、下記のフォームより評価など。

創作の励みとなります!


応援よろしくお願いいたします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ