3.思い出の料理対決。
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――それは王都立学園時代のこと。
貴族中心の学園とはいえ、一般に開放されたここには様々な生徒が通っている。将来の目標だって人それぞれで、中には料理人を目指して修練に励む者もいた。そういった人たちは決まって、各々にコミュニティを形成しているのだが、基本的には広く生徒を受け入れている。
そして、先ほども述べたように。
学園に通いながら、将来は料理人を目指す者は一定数いた。
またそこに伴って花嫁修業的に、下級生が上級生に弟子入りする例もある。
「う、ぐ……また黒焦げですわ……」
当時のマリンも、その一人だった。
彼女はその類稀な上昇志向を持って、学内一と呼ばれる先輩に弟子入りしたという。しかしながら、マリンの料理の腕はお世辞にも良いとは言えなかった。
「マリンさん。もう少し、火加減に気を配って下さいね」
「は、はい! アクア先輩!」
そんな彼女に指南していたのが現在、王都で一番の料理人と名高いアクア・パルスィ先輩。平民出身の女性であったアクア先輩だが、その料理の腕は紛うことなき本物だった。そこに加えて指導も的確で、どんな料理下手もたちまち平均以上に――。
「つ、次こそは……!」
「あ……マリンさん、それ塩じゃなくて強力粉……!」
「……え?」
なるはずだった。
だが、どうにもマリンの指導にはかなり手を焼いている。
ボクはそんな二人を眺め、苦笑しつつ自身の料理の腕を磨いていた。
「今日も元気だなぁ、あの二人は……」
そして思わず、そう口にすると――。
「本当に、マリンはいつまでも成長しませんね」
「いやいや。でも、最初よりは…………って、リリアナ!?」
いつの間にか隣に、幼馴染みである王女の姿があった。
何やらエプロン姿の彼女はボクの反応に不服そうな表情を浮かべつつ、テキパキと調理の準備を整えている。
「……なにか? 私がいては、不味いことでもありますか」
「い、いや。ただ、珍しいな……って」
「私だって、料理くらいはしますから」
「そ、そうなんだ……」
いったい、何が幼馴染みの逆鱗に触れたのか。
分からないままにボクは、ひとまず話題を別の方向に振ることにした。
「リリアナも、アクア先輩に教えてもらうの?」
「アクア先輩……ですか?」
「……あれ?」
すると彼女は、少しだけ首を傾げる。
その表情を見てボクは、自分の予想が外れたことを理解した。てっきり彼女も、学内一のアクア先輩に教えを乞うのだと思っていたが、どういう流れなのだろう。
そう考えていると、リリアナは深いため息をつきながらこう言った。
「これを見てください」
「これ? ……えっと、果たし状……?」
「マリンから、私にです。何やら、料理の勝負だとかで」
「おおう……」
それはまた、何とも恐ろしいことを。
ボクは思わず後退りしつつ、苦笑するしかなかった。
「はぁ……まったくマリンは、自分の壊滅的なセンスのなさを自覚していないみたいです。クレオからも彼女に、諦めるよう言ってくれませんか?」
「いやー……それは、とても難しいかな……」
リリアナは大袈裟に肩を竦めながら、そう口にする。
すると、そんなこちらの会話が耳に入ったらしい。
「ようやく来たようですわね! 我が終生のライバル、リリアナ!!」
「誰が、誰のライバルですか……」
アクア先輩と特訓していたシンデリウス家の令嬢が、こっちにすっ飛んできた。いつものように高飛車な態度を取り、師匠のアクア先輩を引き連れて。
ボクはその集団から距離を取ろうとしたが、リリアナに服を掴まれ阻まれた。
そして、何やら用意されていた椅子に座らされる。
「それでは、始めましょうか」
「えぇ、審査員はクレオ。……その条件でよろしかったですわね?」
「………………へ?」
…………待ってほしい。
何故か、ボクの与り知らないところで勝手に話が進んでいた。
しかし今さら拒否できる空気ではなく、アクア先輩のこんな掛け声で勝負は始まるのだ。
「えー……それでは、マリンさん対リリアナ王女の料理勝負を始めます!」――と。
そして、いつの間にか集まっていたオーディエンスの歓声が上がって。
ボクは全身から嫌な汗をかきつつ、勝負を見守ることとなったのだった……。
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