1.旅の再開と、ダンの言葉。
ようやっと新章。
あとがきから、新作へ跳べるようにしました。
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「キーン、どうしたの? そんな難しい顔して」
「い、いえ! ……少しばかり、眠れなくて」
「そうなの? だったら、今日は少し移動のペースを落とそうか」
「いえいえ! そんなお気遣いは必要ないですよ!?」
ボクが声をかけると、キーンはどこか挙動不審な態度を取った。
なんだろう。視線が分かりやすく泳いでいるけど、何かあったのだろうか。
だけど、いつまでも立ち止まっているわけにはいかない。ボクたちは急いで、エルフの森まで行かなければならないのだ。
そうでなければ、父の病を治すことはできない。
「それじゃ、そろそろ行こうか!」
そう考えて、ボクは決意を新たにみんなに宣言した。
彼らは返事こそしないが、力強く頷く。
こうして、ボクたちの旅は改めて始まりを迎えたのだった。
◆
「無茶です! ファーシード公爵!」
「ええい、これが落ち着いていられるか!」
――一方その頃。
王都ガリアの公爵邸では、ダンが従者たちに制止されていた。
何故なら彼が、病み上がりであるにもかかわらず、今からクレオを追いかけると言い出したからだ。そのような馬鹿げた行動は、許されるはずがない。
その場にいる者たちはみな、一様に口を揃えて彼を宥めていた。
「何があったのです!?」
「公爵、いったい何を……!?」
そんな彼のもとに現れたのは、病状を確認しにきたマキとマリン。
彼女たちは息も絶え絶えに声を荒らげるダンの姿に、驚いて目を丸くした。そんなクレオの友人たちの姿を認めた公爵は、ほんの少しだけ息を整えてこう口にする。
「このままでは、クレオが危険だ……!」
「え……?」
「どういう、ことですの?」
そして、困惑する二人にこう続けるのだった。
「確証はない。だが――」
唇を噛み、歯がゆい思いを隠そうともせずに。
「今回の旅はすべて、魔族に仕組まれた罠だ……!」――と。
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