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万年2位だからと勘当された少年、無自覚に無双する【WEB版】  作者: あざね
第31章

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8.無自覚に。

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「ほう。さすがは王都の最大戦力と名高いお方だ!」

「……もう、終わりですか?」




 魔獣の群れを一掃し、リリアナは死霊術師にそう訊ねた。

 その戦闘はまさに圧巻の一言だろう。彼女が腕を薙いだとしたら、それに合わせて獣が両断された。魔法を詠唱するまでもなく、敵の用意した駒は消え失せる。

 死霊術師も、魔獣を生み出そうとすればまだできたはずだ。

 しかし、それさえも無意味であるかのように思えるほどの力。



「やはり、桁が違う……!」



 それを後方から、防御魔法に専念しつつ見守ったキーンは感嘆の声を漏らした。

 自身の才とは方向性こそ違う。クレオから教わったことがあるとしても、しかし憧れに似た感情を抱いてしまうのだ。

 自分もこのように戦えたなら。

 自分にも、もっと力があったなら。

 そう考えて幾度も夜を数え、夢をみたことか。



「でも、良いんだ。私には、私の戦いがある……!」



 だが、思い直して意識を集中させた。

 その時である。



「な、なんだ……!?」

「これは……!」



 ――轟音が、地響きと共に鳴り響いたのは。

 おそらく、それが発生したのはクレオが向かった先でのこと。

 キーンが困惑に表情を歪める横で、しかし声を上げたのはエスカリーテだった。




「まさか、そんな……」

「エスカリーテ……?」




 そんな彼女の様子に気付いて、彼は眉をひそめる。

 そして、クレオの無事を祈るのだった。








「いいじゃねぇか。やっぱり、こうじゃないとな……!」

「………………」




 額から血を滴らせ、オドがそう言って見つめる先にはクレオがいた。

 だが、様子がどうもおかしい。



 まるで別人だ。

 ゆらりと力なく立つ姿は、吹けば飛んでいきそうに思える。

 しかし、肌で感じる威圧感は先ほどまでとは桁が違っていたのだ。



「ただ、意識は『無』になっちまう、か」

「………………」



 クレオの瞳は虚ろだ。

 もしかしたら、意識がないのかもしれない。

 それでも少年はしっかりと、そこに立っていた。




「今さら話しても無駄かもしれねぇが、お前はあらゆる意味で『無自覚』なんだよ。自分の力に対しても、そして――」




 オドはそんな相手に、こう語る。




「その戦い自体にも、な……!」――と。




 直後、クレオの姿が掻き消えた。

 零から百へと、一気に速度が上昇する。そして、



「け、やっぱり強いじゃねぇか!!」

「――――――!」




 先ほどまでオドのいた場所に拳を叩きつけ、大きく陥没させたのだった。

 凄まじい音が鳴り響き、周囲が瓦解し始める。




「いいぜ。ここからだ……!!」




 常軌を逸した速度と力。

 それを目の当たりにしてオドは、しかし笑みを浮かべて言った。





「さぁ、殺し合いを始めようや!!」






 ――『無自覚に無双』せんとする少年に向かって。




 


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