3.山賊の長、オドの挑発。
_(:3 」∠)_
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洞窟の中に入ってしばらく。
しかし、ボクたちの前にはただただ長い通路が続くばかりだった。
あまりに不自然な状況に、緊張感が高まっていくのを感じる。これは敵の罠なのか、それとも杞憂なのか。考えたところで答えなんて出るはずがない。
それを理解しながらも、考えずにいられなかった。
「みんな、大丈夫?」
注意を怠らないように、改めて声をかける。
「大丈夫です。……他のみなさんは?」
「あぁ、大丈夫」
「うん……」
各々に声が返ってきて、ひとまずの無事を確かめられた。
一つ息をつく。そしてボクは、改めて前を向いた。
敵の根城である洞窟も、それほど広いわけでもない。
だとすれば、もうじき開けた場所に出るはずだ。そう考えていると、
「…………!?」
真っ暗な視界に突然、光が差し込んだ。
思わず目を細めつつも確認すると、そこにあったのは重厚な金属の扉。ひとりでに開いた先にあったのはボクの予想通り、大きな空間だった。
吹き抜けになっているその場所には、大勢の賊が集っている。
そして、階段を上がった先には一人の偉丈夫が立っていた。
「お前が、山賊のリーダーか!」
「おうよ。今日は何の用だ?」
ボクたちは周囲への警戒は怠らず。
真っすぐに敵将を見上げて、こう叫んだ。
「一つ確かめたい! ――貴方の背後には、なにがいる!」
「けっ……」
すると、相手の男はつまらなさそうに唾を吐き捨てる。
その上でこちらを見下ろしつつ、こう返してきた。
「詰まらねぇよ。そんなこと、今から始まることには関係ねぇからな」
拳を鳴らしながら、ゆっくりと立ち上がる。
そして、ボクのことを見て不気味に笑うのだった。
「……なるほど、な。お前が、アイツの子孫か」
「なんだって……?」
「いいや、こっちの話だ。ただ――」
こちらが訝しむと、男は言う。
「もし、知りたいことがあるならタイマンと行こうじゃねぇか! ――なぁ、伝説に語られる英雄の末裔さんよォ!!」
その直後だった。
周囲の賊たちが一斉に武器を構えたのは。
「上がってこい! お前ら、そこの坊主には手を出すんじゃねぇぞ!!」
そう言って、リーダーの男は奥へと消えていった。
どうやら一対一を希望しているようだ。
「リリアナ、大丈夫かな?」
「心配いりません。これくらいの相手、魔法だけで十分ですから」
ボクは幼馴染にそう確認する。
彼女の返事を聞いて、静かに歩き出した。
こうして、どこか不思議な雰囲気の漂う戦いが始まったのだった。
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