2.進行開始。
短くてごめんよ_(:3 」∠)_
あとがきに、新作情報あるから応援してあげてください。
一つ山を越えた先。
そこには、話に聞いた通りの山賊のアジトらしき場所があった。
自然にできた洞窟を利用したものだろう。そこから、至るところへと道が続いているようだった。洞窟の上には木々が生い茂っており、なにかを隠しているようにも見える。
あるいは、敵の本丸があるのかもしれない。
「クレオ、どう攻めますか?」
「そうだな。本当だったら、入り口で火を起こしたらいいんだけど……」
ボクの頭の中に浮かんだ策は、炎系魔法で賊をあぶり出すものだった。
しかし、それでは今回の一件を解決したとは言えない。場合によっては敵の大将に逃げられ、いるであろう死霊術師もまた雲隠れする可能性があった。
だとすれば、良くも悪くも正攻法で行くしかないのだろう。
「まずは、ボクが先頭で洞窟に入るよ。キーンとリリアナ、エスカリーテは魔法で援護してくれると嬉しい」
「分かりました、クレオさん」
「えぇ、そうしましょう」
ボクの言葉に、二人が頷く。
そして妹はしばし考えた後に、こう口にした。
「お兄ちゃん、後方から攻められた場合は……?」
どうやら、回復魔法専門の自分では手に負えない、と言いたいらしい。
その場合のことは、彼に任せるとしよう。
「それは、キーンに任せるよ。後方の敵に、注意を払ってね?」
「は、はい!」
こちらの指示に、少し緊張したように答えるキーン。
エスカリーテと目配せをした彼は、ほんの少しだけ照れくさそうに頬を掻いた。それを確認してから、ボクは改めて全員にこう告げる。
「敵は、なにをしてくるか分からない。目的も何もかもが不明だ。だから、各々がもし危なくなったらすぐに逃げること!」
そうして、進行を開始した。
宣言した自分が、最も緊張しているだろうことは隠しながら……。




