1.山賊の記憶。
あとがきに、新連載(*‘ω‘ *)
――その男には、最期の記憶が残っていた。
一つ山を越えた先にある村を襲撃し、作物や金品を略奪。意気揚々とアジトへと帰還し、配下の者たちと共に宴を開いていた。しかし、その最中である。
「あぁ……? 何者だ」
「カシラぁ!? 恐ろしく強い男が、単身で乗り込んできました!!」
「単身、だと……!?」
信じられないことだった。
自身が率いる一団は、少なく見積もっても数十を超えている。
それなのに、侵入者は単身で配下の者たちを打倒しているという話だった。にわかには信じられない話に、山賊の長――オドは眉をひそめる。
そして、即座に指示を飛ばそうとした時だった。
「どうやら、お前がリーダーらしいな?」
「………………」
配下の者と自分だけの部屋に、その蛮勇が現れたのは。
「何者だ、貴様……?」
オドは訊ねた。
すると、その侵入者は煌びやかな剣を抜き放ち答えるのだった。
「俺は、神に選ばれし勇者だよ」――と。
意味が分からない。
この男は、いったい何を言っているのか。
「ほう、神に選ばれた……か」
しかし、オドにとってはどうでも良かった。
このような酔狂な奴と殺し合う機会は、滅多にないのだから。
負けるつもりは微塵もない。まだまだ若い青年相手に、自分が敗北する未来などまったく見えなかった。だから――。
「こいよ。殴り殺してやる……!」
オドはそう言って、拳を構えた。
それが、自身の最期の言葉になるとも知らずに……。
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