5.山賊のアジトにて。
更新遅くなってすみません!
書籍二巻発売中!
あとがきからは、新作に飛べます!!
山賊のアジトでは、二人の男が相対していた。
一方は賊の長らしき男性。そして、もう一方は目深に黒いフードを被った正体不明の男だった。彼らは吹き抜けになった先にいる配下の賊を見やりつつ、こんな言葉を交わす。
「それで、お前さんの目的はなんだ?」
「クク……。わたしに、特別な目的などないですよ」
筋骨隆々とした山賊の長が訊ねると、フードの男はただ笑った。
その上で『目的はない』と宣う。そのことに、山賊の長は眉をひそめた。
「目的もなく、俺らを蘇らせた……ってか?」
そして、さらにそう訊ねる。
配下の者たちに自覚はなかったようだが、彼は違ったらしい。誰よりも早くに自身の生に疑問を持ち、フードの男――死霊術師と接触した。
やはり集団を率いるに足る能力はあったらしい。
死霊術師は、長の勘の鋭さに感嘆していた。
「お前は、いったい何者だ?」
「それを語っても、貴方には意味なきことです」
「けっ……変なところで煙に巻きやがって」
「ククク……」
それでも、正体を明かすことはない。
死霊術師はフードを被ったまま、長に向けてこう言った。
「……それで。貴方は、どうされるのですか?」
まるで、彼を試すようにして。
すると山賊の長は、数秒の沈黙の後に口角を歪めた。そして、
「お前の話が本当なら、俺は戦うしかねぇよなぁ……?」
瞳に暗い光を宿し、彼はドスの利いた声でそう口にする。
そこにあったのは間違いない。
何者かに対する、あまりに深すぎる恨みであった。
「えぇ、本当ですよ。いずれ、彼の子孫はここへきます」
死霊術師は、聞かずとも知っているのだろう。
長の言葉を肯定して、何度も頷いた。対して山賊の長は、最後に言うのだ。
「それじゃあ、殺さねぇとな! 大英雄の末裔とやらを!!」
打ち鳴らされる拳。
大気が震えるような力強さを持つそれは、確実に一人の少年に向けられていた。
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