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万年2位だからと勘当された少年、無自覚に無双する【WEB版】  作者: あざね
第30章

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166/211

4.可能性は、次第に確信へ。

2巻情報は、活動報告に(*‘ω‘ *)!

明日、電子配信だあああああああああああああ!!(緊張MAX


追記:12月27日、公式発売日?前日です!! 更新できなくてごめんよ!!

詳しくは作者がTwitterで騒いでますww



あとがきには、カクヨムコン参戦中作品の情報!

頑張って10万文字書く……!!










 ――夜が明けて、朝になる。


 村人たちのお墓は、ひとまず滞りなく作り終えられた。

 しかし、ここから先は別の問題。ミトスの村を襲った山賊のアジトへ向かい、撃退する必要があった。しかも、可能性の域を出ないが相手には凄腕の魔法使いがいるかもしれない。こちらも魔法については遅れを取ることはないだろうけど、人数の差もあった。



「地の利もあっちにあるし、一筋縄ではいかないかもね」

「慎重に行きましょう、クレオさん」

「うん、そうだね」



 キーンや他のみんなにも声をかけつつ、山道を登る。

 ただ、そうしている中で違和感を覚える箇所があった。



「……これは、どうして?」

「どうかしましたか、クレオ。何か問題でもありましたか」

「いや、さ。いくら山道とはいえ、ここは村への通り道だったんだよね?」

「ミトスやあの山賊の情報では、そうですね」



 リリアナに確認を取り、ボクはやはりおかしいと考える。

 少しだけ立ち止まって地面に触れて、周囲を確認した。そして、幼馴染にボクの疑問をぶつけることにする。



「それにしては、獣道すぎないかな。人が通らなくなって、ずいぶん経つような……?」

「たしかに、言われてみればそうですね」

「元々が通り道だったのは、間違いないと思う。土が踏み固められた感じもある。でも、そこに被さる雑草が多すぎるんだ」

「ということは、誰かが嘘をついている……ということですか?」

「いや、それはないと思う。みんな、嘘を言っている様子はないよ」



 嘘を言うとすればミトスか、山賊のどちらか。

 しかし、彼らの言葉に嘘はなかったと思われた。実際に見聞きして、経験した者の口振りでしっかりと語っていたからだ。

 だとすれば、やっぱり思い当たるのは――。



「ねぇ、リリアナ。……あくまで可能性の話だけど、いいかな」

「クレオがそこまで言うなら、確率は高いのでしょう?」

「絶対ではないよ。ただ、相手は山賊じゃないかもしれない」

「ふむ……」




 ボクの言葉に、リリアナは考え込む。

 しばしの間を置いてから、同じ結論に至ったらしい。

 彼女は少しだけ不快そうな表情を浮かべて、こう言うのだった。





「『死者への冒涜』を行う何者かがいる……ということ、ですか?」――と。





 それは、魔法の中でも異端とされる『死霊術』への嫌悪だった。


 そのことを『死者への冒涜だ』と彼女は表現する。

 もちろん、魔法の体系として確立されており、別の使い方も研究されていた。使い方によっては人々の役に立つこともあるだろう。

 しかし、もし今回の件に死霊術が用いられているとしたら、それは――。




「そうだね。間違いなく、これは冒涜だよ」




 ボクも眉をひそめる。

 まだ、目的は分からなかった。

 だがしかし、死者の魂を遊び半分で呼び起こしてはいけない。




「行こう。――ただ、少し慎重にね」

「えぇ、そうですね」




 ボクとリリアナは、そう声を掛け合って先に進む。

 未知の敵。その者とのイレギュラーな戦闘は、避けられなかった。




 


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