7.幼い日の約束。
あれ、投稿直前になって矛盾点(あとでサイレント修正かも
2巻の発売日、決定しました!
今回も書き下ろししまくりましたので、よろしくです!!
「……ねぇ、リリアナ?」
「どうしました? クレオ」
「さっき、エスカリーテと話してたけど何かあったの?」
「……………………」
ボクが訊ねると、リリアナは黙り込んでしまった。
荷馬車に揺られながらもキーンたちからは距離を取り、話しやすい状況を作ってみるのだけれど。それでも幼馴染みは、どう話したものかといった様子だった。
急かすようなことはしない。
彼女は頭も勘も良い。的外れな考えはしていないはずだった。
その上でのリリアナの行動の意図は、いったいなんなのか。
ボクが黙っていると、一つだけ彼女が漏らした。
「クレオは、すべてが計算されているとしたら、どう思いますか?」
「え……? すべてが、計算?」
「………………」
訊き返すと、幼馴染みはまた黙る。
『すべてが計算』とは、いったいどういう意味だろうか。
ボクが首を傾げているとまた、リリアナは小さくこう言った。
「果たして、敵は魔族か。それとも――」
眉をひそめる王女。
それ以降は、もう何も語らなかった。
敵は魔族。
その前提にどうして、彼女は疑問を持っているのか。
ボクにはそれが、すんなりと呑み込むことができなかった。ただ、やはりリリアナが無意味なことを考えるとは思えない。
「あの、さ。リリアナ……?」
だから、答えない彼女にボクはこう伝えた。
「いつか、約束したよね。一緒に――」
「――『一緒に英雄祭を楽しもう』」
「覚えてたんだ、リリアナ」
「もちろんです」
よかった、と思う。
彼女は間違いなくボクの知るリリアナ。
だから、ボクは夕日の沈む地平線を見ながら言った。
「必ず、一緒に英雄祭を回ろうね」――と。
確認するように。
大切な幼馴染みが、どこか遠くへ行ってしまう気がしたから……。
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