1.記憶の中の妹、そして幼馴染み。
珍しく連続更新。
書ける時に書いておきます。
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旅をする上で、人目につく行動は避けたいところだった。
何故なら現状のパーティーメンバーには、王女と公爵家令嬢がいるから。目立たないよう変装はしているものの、立ち寄った町などで正体がバレれば騒ぎになるのは間違いなかった。ただでさえ緊急事態なのだから、そういったところで時間を取られるのは困る。
そんなわけで、比較的安価な荷馬車に揺られること数時間が経過していた。
リリアナもエスカリーテも、慣れない旅であるにもかかわらず文句は一つも口にしない。今回のことが重要であることは、全員が弁えていた。
「――クレオ。少し、お話よろしいですか?」
「ん、どうしたの? リリアナ」
そう思っていると、幼馴染の王女が声をかけてくる。
何かを考え込んでいる様子で、彼女はキーンやエスカリーテとは離れた位置にボクを誘導した。そして、静かな声でこう言う。
「不自然に思いませんか?」
「え……?」
それは、何に対してだろうか。
ボクが首を傾げていると、リリアナはちらりと残り二人の方を見た。
「いえ……。ただ少し、エスカリーテがずいぶん落ち着いているな、と」
次いで口にしたのは妹の態度についてだ。
そう言われてから、ボクはエスカリーテの方を見る。妹は静かに目を閉じて、体力を温存しているようだった。たしかに、落ち着いていると言われれば、そんな気もする。でも、だからといってそれがどうしたというのだろうか。
「彼女は生まれてから現在まで、王都を出たことはなかったはず。それに――」
こちらが首を傾げていると、リリアナは悩みながら口にした。
「彼女は、あのように大人びた子だったでしょうか……?」
「………………」
それを受けて、ボクは考え込む。
たしかにリリアナの言う通り。ボクの中にあるエスカリーテという妹も、もう少し幼い部分があったように思われた。
「クレオが勘当されてから、あの子はたしかに精神的に強くなりました。責任感が芽生えたといえば聞こえが良いのでしょうが……」
リリアナは、そう言うとまた考え込んでしまう。
そして、
「いえ、やはりまだ憶測の域を出ませんね。失礼します」
そう言い残して、元の場所へと戻っていった。
ボクはそんなリリアナの後姿を見送って、自分でも考えてみる。
「精神的に強くなった、か……」
そして、思いを馳せるのだ。
リリアナとエスカリーテ、そしてボクの三人で遊んだ幼少期のことを……。
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