2.語れぬ覚悟。
2巻作業とか色々あって、遅く短くでごめんなさい(´;ω;`)
新作はいつものように、評価フォーム下?から飛べます。
そっちも応援よろしくね!!
「ほ、本当についてくるの? ……リリアナ」
「えぇ、そう言いましたが」
「うーん……」
ボクの問いかけに、リリアナは平然とそう返してくる。
すでに荷造りは済んでおり、あとは明日の朝に王都を発つだけとなっていた。しかしながら、改めて考えるとおかしいことばかり。
リリアナは言うまでもなく、この国の王女だ。
いかに魔法に優れているとしても、王都を離れて良い理由にはならない。
「ここはボクたちとエスカリーテに任せてくれない……?」
だから苦笑いしつつ、そう提案してみた。
しかし、リリアナはそれを聞くと難しい顔になって答えるのだ。
「もしかしたら……いいえ。ほぼ確実に、彼女は黒ですから」
「彼女は黒……?」
その意味が分からない。
黒とは、いったいどういう意味だろうか。
もしかしたら、王城に入り込んでいる魔族の話、なのかもしれない。仮にそうだとすれば、今すぐにでも情報共有をした方が良い。
そう考えて、ボクが訊ねようとすると――。
「クレオはどうか、最後まで信じてあげてください」
「…………え?」
どこか、悲しげにそう漏らすのだった。
その表情から、リリアナが相当に苦心していることが理解できる。だからそれ以上、こちらからは何も訊くことができなかった。
ただ、そうしていると彼女は一つ息をついて言うのだ。
「その代わり、私は確定した瞬間に容赦なくいきます」――と。
決意したようにボクを真っすぐ見て。
だけど、どうしてだろう。
「リリアナ……」
ボクの幼馴染は、涙を流さず泣いているように見えたのだった。




