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万年2位だからと勘当された少年、無自覚に無双する【WEB版】  作者: あざね
第27章

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2.互いに、伝えきれなかったこと。

書籍がここまで続くなら、本気でもっとこう……!(これ以上は言わないw










 ――どうして、なのだろうか。


 あれだけ叱られて、説教され続けたのに、思い出すのは学園に入る前のことばかりだった。ボクにとっての父は、とても厳しい人物。

 だけど、知っているんだ。


 もうずっと、忘れていたけれど。

 もっと昔は頼りになって、色々教えてくれて。

 ボクがそれを実践して、上手くできたら褒めてくれた。



「クレオは、私なんかよりも才能があるな!」



 そして、彼は決まってそう言うのだ。

 まったく嘘のない、そんな笑顔で。


 ボクはその言葉を聞きたくて、嬉しくて、期待に応えたくて。

 だから、学園に入ってからも必死に頑張った。


 どうして、忘れていたのだろう。

 ボクたちはいったい、いつの間にすれ違っていたのだろう。



 互いのことを想っていた。

 互いのためを思っていた。



 それに、違いはないはずなのに……。







「マリンに、マキ! ダン公爵の容態は!?」

「依然として危険な状態です! 治癒に集中しますので、話しかけないでくださいまし!」




 キーンが声をかけると、半ば怒ったようにマリンがそう答えた。

 王城の中にある医務室には、緊張が走っている。エルフの青年が声をかけて以降は、完全に閉め切られてしまった。

 それだけ、ダンの命は危機に晒されている。



「…………私に、できることは……」



 キーンはまた、そう呟いて唇を噛んだ。

 そして、ふとこの場にクレオの姿がないことに気付く。



「クレオ、さん……?」



 どこに行ったのだろうか。

 先ほどまで、一緒にいたはずなのに。

 そう思ってキーンは、周囲の様子を確認に向かった。すると、



「…………クレオ、さん」



 長い廊下の窓際に。

 クレオ・ファーシードは、空を見上げて佇んでいた。

 その横顔からはいったいなにを考えているのか、うかがい知れない。ただどこか、いつもよりも少し彼の背中は小さく思えて仕方がなかった。



「あの、クレ――」

「どうして、なんだろうね……」



 そして、キーンが声をかけようとした時だ。

 クレオは青年の存在に気付いていたのか、そう口にするのだった。そして、



「どうして、今さら思い出すんだろう……!」



 声を震わせる。

 彼の頬には、大粒の涙が伝っていった。

 とめどなくあふれ出る感情は、もう制御ができない。



「ボクはずっと、父さんに認めてもらいたかった。それだけだったのに……」



 嗚咽を漏らす、クレオ。

 キーンはそんな彼を見て、静かにただ隣に立った。

 言葉はない。キーンは、あえて無言で傍にいることを選んだのだ。




 必ずしも、優しいそれが正解とは限らない。

 何故ならいまのクレオの感情を、誰が推し量ることができようか。




 だから、従者はただ隣にいる。

 一人ではないと、静寂に語りかけるように。




 慌ただしい時の中。

 せめて、今だけは――どうか、ゆっくりと。




 キーンは泣き続けるクレオを見て、そう願うのだった。



 


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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です(◍•ᴗ•◍) [一言] しかし泣いてる本人からするとああいう場面だと「来んなよ」が本音だったりするから食い違いが楽しくなる
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