1.想いが故の焦り。
さて、今回は短め。
あとがきに新作情報あります。
ダンは信じて疑わなかった。
息子――クレオが、学園で素晴らしい成績を修めることを。何故なら彼は、当時の自分よりも優秀な子供だったのだから。
それを誰よりも知っていたのは、他でもない父だったのだ。
だが、現実は非情で――。
「なぜ、だ……?」
「ご、ごめんなさい。お父様……」
「………………」
学園に入学して、間もなくの試験。
そこで息子はたしかに、すべて上位の成績を修めていた。
しかし、ダンの想定とは全く異なる点が一つ。
「どうして、一つも……?」
――1位の科目が、ないのか。
間違いなく、息子は自分よりも優秀だった。
ならば問題なく、事は運ぶはず。それだというのに、どうしてなのか。
「あの、お父様――」
「クレオ。今日はもう、部屋に戻りなさい」
「…………………」
ダンはクレオにそう告げた。
少年は何かを言いたげにしていたが、黙って退出する。
扉の閉まる音を聞いてから、ダンは力の限りにテーブルを叩いた。
「なぜ、だ……!」
そして、唇を噛む。
この時のダンの中には、明らかな動揺が生まれていた。
このままでは、息子はまた、自分のような悲しい結末を迎えてしまう。そのような思いは、決してさせてはならない。ならば、どうすればいいのか。
「なんと、してでも……!」
――もっと、厳しく息子を導くしかない。
ダンはおそらくこの時に、道を外れてしまったのだろう。
息子を悲しませたくないがために。息子に、自分と同じような思いをしてほしくないあまりに。彼は動揺する心の中で、考え得る最悪の答えにたどり着いた。
こうして、ダンとクレオの距離は開いていく。
だが父がその過ちに気付くのは、もっと後の出来事であった……。
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