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万年2位だからと勘当された少年、無自覚に無双する【WEB版】  作者: あざね
第26章

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5.歴代最強の公爵。

ダン……(´;ω;`)








「クレオさん!? どうしたのですか、そんなに慌てて!」

「た、大変なんだ。魔族が現れて……!!」

「魔族……!?」



 ボクが王城へ戻ると、ちょうどキーンたち三人と鉢合わせた。

 血相を変えたこちらを見て、彼らもただ事ではないと察したらしい。



「そ、それで。その魔族はいま、どうしている!?」

「父さん……お父様が、時間稼ぎを……!」



 エリオさんの言葉に、ボクは呼吸を乱しながら答える。

 すると、三人は顔を見合わせて頷いた。



「助けに行きましょう、クレオさん!」

「あぁ、マキの言う通りです」

「そうだな!」



 そして力強く、そう声を揃えるのだ。



「みんな……!」



 ――とても、心強い。

 ボクは改めて思い知らされた。


 この仲間たちは、本当に最高だということを……。









「くっ……!? 人間風情が、このようなァ!!」




 ダンの動きに、クリムは完全に動揺していた。

 あまりにも速すぎる。おそらくは身体強化の魔法の類だが、それにしても能力の向上が異常だった。おおよそ人間の動きに非ず。

 ダン・ファーシードは病魔に蝕まれ、細身となった身体を疾走させる。



「魔族というのも、たいしたことはないな!」

「なにを……!」



 そして、クリムの背後から一撃。

 彼女は辛うじて防ぐが、彼の振り下ろした剣の圧力に膝を折った。

 そうするとダンは、すかさず魔族の顎に膝を打ち込む。



「あ、が……!?」



 クリムの視界に火花が散った。

 まるで、首がもげるようなその膝蹴り。

 おそらく顎の骨は砕けただろう。即座に治癒を施すが、再生が追いつく間もなくダンは次なる攻撃を仕掛けてきた。



「――――ッ!?」



 それは、魔法だ。

 ダンの手から放たれた火炎は、一息にクリムの身体を呑み込む。

 防御魔法など追いつかない。まともに彼のそれを喰らった彼女は、後方数十メイル吹き飛んだ。いったい、何が起きたのか理解が追いつかない。


 自分が喰らったのは、間違いなく上級魔法――いいや、それ以上のもの。

 そうでなければ、魔族であるこの身が行動不能に追い込まれるはずなどない。



「どうした、魔族。今のは最下級魔法――【ファイア】だぞ」

「な、に……?」



 だからこそ、ダンの言葉にクリムは戦慄した。

 今のが最下級だというのか、と。



「馬鹿げてる。そんな、はずが……」

「言っただろう? お前に私が殺せるわけがない、と」

「………………!」



 そしてこの時。

 クリムは生涯で初めて、恐怖というものを覚えた。

 死に対する恐怖も当然だ。だがしかし、それ以上に――。



「ダン・ファーシード……! バケモノ、め……!」



 目の前の人間――ダン・ファーシード公爵に対して。

 クリムは血の塊を吐き出して、どうにか身を起こした。そして、



「く、憶えていろ。貴様は必ず、私が殺す……!」



 そう言い残して、姿を消す。

 ダンはあえてそれを追わずに、氷剣を手放した。

 空気中に溶けていくそれを見送って、小さく笑うのだ。



「あぁ、すまないな。それは、どうやら不可能だ……」――と。



 彼は言って、咳き込んだ。

 手で覆うとそこにあったのは、多量な血の塊。



「再戦は、叶わない」



 ダンは拳を握り、振り返る。

 すると、そこには慌ててこちらへやってくる息子たちの姿。


 それを見て、公爵はゆっくり目を閉じた。




 平衡感覚が失われる。

 膝から一気に、力が抜け落ちていく。




「父さん……!!」




 意識が遠退く前。

 聞こえたのは、とても優秀な自慢の息子の声だった……。




 


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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です(◍•ᴗ•◍) [一言] なんで1世代早く生まれたのだダンよ……
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