3.真実か、否か。
久々の更新(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾
「公爵家が、英雄の末裔……?」
「あぁ、そうだ。私たちはこの世界を救い、魔王の厄災を退けた勇者の子孫なのだ。もはや役割を終えて、形骸化してしまったものではあるが、な」
「…………」
ボクは父の言葉に、少しばかり眉をひそめた。
何故なら、そんな話は聞いたことがなかったから。あれは史実に尾びれがついたようなものであり、最近の歴史学者の中には『英雄』の存在さえ、疑問視する者もいた。
そんな中でボクの父はハッキリと、英雄の存在を肯定したのだ。
「これを見てみろ、クレオ。王族にも忘れ去られた、悲しい石碑を」
「…………」
歩み寄り、確認する。
たしかにそこには、父の言ったような話を補うものがあった。だけど決定的な証拠にはならないだろう、とも考えられる。
このような場所に石碑があるなら、どうして誰も気づかないのか。
そう考えていると、父はこう話すのだった。
「問題は、この裏にある」
「……裏?」
それを聞いて、ボクは首を傾げながらも石碑の裏を見る。
すると、そこに書いてあったのは――。
「見たことのない、文字だ……」
どこの国の言葉なのか。
言語学で2位だったけれど、こんな文字は見たことがなかった。しかし、どうしてなのだろうか。ボクはそれを読み取ることができた。
書いてあったのは、こんな内容。
『結局、自分は死するまで元の世界に帰れず』――と。
父が静かに口を開いた。
「公爵家に連なる者だけが、読み取れる文字だ。どういった魔法なのか、それは皆目見当もつかないが、な」
「…………」
「我々の一族は千年前の戦いの後、この碑石に書かれている内容を秘匿するよう言われてきたらしい。これは私も先々代から伝え聞いた話だがな」
「先々代……?」
ボクが訊き返すと、父はどこか卑屈に笑って言う。
「先代――クレオから見て祖父に当たる公爵は、この話を欠片ほども信じなかったそうだ。どうせ公爵家の威厳を保つための道具だろう、とな」
そして、最後にこう訊いてきた。
「だが私は、これが真実であると信じてきた。クレオは――どう思う」
真っすぐに。
ボクはしばし考えて、答えた。
「分からないよ。ただ――」
――なにか、意味があるように思う。
そう、口にしようとした時だった。
「……すべて、真実ですよ」
どこか覚えのある、女性の声が聞こえたのは……。




