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万年2位だからと勘当された少年、無自覚に無双する【WEB版】  作者: あざね
第25章

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5.いつか、父との記憶。

短いです、ご容赦ください。

あとがきには新作情報。そちらも、応援よろしくお願いいたします。










 王都立魔法学園に入学する前のこと。

 お父様は、ボクの服を仕立てた際にこう語っていた。



「いいか、クレオ。公爵家とは、貴族の中心であるべき一族だ」

「お父様……?」



 窓の外を見て、遠い昔を思い出すように。

 そしてボクの着た制服に視線をやって、小さく微笑むのだった。



「お前なら大丈夫だ。きっと、私のようにはならない。エキスパートとして、誰にも馬鹿にされることのない立派な貴族に――」



 片膝をついて、こちらの肩に大きな手を乗せる。

 とても温かかったことを覚えている。それと同時に、父からの期待の大きさを感じた。きっと彼は自分にできなかった何かを、ボクに託そうとしている。

 だとすれば、こちらにできるのはなんだろう。


 息子としてボクが、父にできることって――?



「分かったよ、お父様。ボク――頑張るから!」



 当時の自分に、どこまで理解できていたか分からない。

 それでもたしかだったのは、父の期待に応えたい、という気持ち。学生服をこんなにも悲しげに見る彼の心を少しでも、晴らしてあげたいという思いだった。


 そこから先は、苦悩の日々。

 1位になれないこと、期待に応えられないこと。


 でも、この時の誓いがあったから。

 ボクはボクとして、常に前を向いて挑戦を続けられたのだ。



 


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新作です(下の方にリンクがあります)

面白ければ、ブクマや★評価などで応援いただけると幸いです。

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