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万年2位だからと勘当された少年、無自覚に無双する【WEB版】  作者: あざね
第24章

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126/211

3.越えられない壁。

まさかの、書籍版の万年2位が重版です( ゜Д゜)!

応援ありがとうございます!


そして、続刊も決定しました。

本当にありがとうございます!! 更新もボチボチとしていきますね!!







「キーンさん、その……」

「ん、どうしたんだい。マキ?」

「さっき王女様から云われたこと、大丈夫なのですか?」

「…………あぁ、心配そうな顔をしていると思ったらそのことか」



 キーンたちは呼び出しを受けて、訓練場へと足を運んでいた。

 その最中、マキがキーンにそう問いかける。青年は眉をハの字にしてしまっている少女の言葉を聞き、納得したように小さくそう口にした。

 ほんの少しだけ足を止めて思い出すのは、リリアナの宣告。



 キーンは、あえてそれを繰り返すように口にした。




「マキとエリオの実力はすでに分かっている。でも、それに反して『貴方の実力はまだ、信用ならない』――か」




 キーンを除く二人の力は、すでにマリンとアルナから聞き及んでいる。だから、すでにクレオの傍にいることを容認しているが、彼だけは違うのだ。

 すなわち、彼女たち以上に圧倒的成果を見せなければ――。



「おそらく私の場合は、生半可な成果だけでは認められない」



 無難ではいけない。

 クレオという規格外と共にあるためには、彼もまた規格外になる必要があった。総合力では届かないとしても、クレオと並び立つに値する特異性を。

 ただ同時に、キーンは分かっていた。



「…………」



 ――自分が魔法使いとして、リリアナに届いていないことを。


 実際に言葉を交わし、先ほど本気の彼女と向かい合って察した。

 王女リリアナの秘める魔力量は、桁違い。クレオやキーンのそれも十分に平均以上、類稀な才能であると断言できた。それでも王女の魔力は、段違いなのだ。

 天賦の才と言えばいいのだろうか。

 いいや、それだけではない。



 リリアナから感じられる自信は、それ以上の努力を感じさせた。

 キーンを上回る天賦の才に、並外れた努力値。



「きっと、真正面から戦っても私は勝てないだろうね」



 それを肌で感じて。

 キーンは素直にそう言うのだった。

 決して卑屈になっているのではなく、純粋にリリアナを称えるように。それを聞いてエリオとマキは、不思議そうに顔を見合わせた。

 なぜ、不思議に感じているのかといえば――。



「キーン、どうして笑っているんだ?」



 青年が、どこか嬉しそうに微笑んでいたから。

 自分は勝てない。そう認めた上で、どうして笑うのか。

 彼はエリオに訊ねられ、短く息をつき、そしてこう答えた。




「あぁ、今は気にしないでくれ。とにかく――」




 真剣な眼差しを二人に向けながら。




「全員で勝つ。今は、それだけを考えよう」




 そう告げてから、誰よりも先に訓練場へと足を踏み入れるのだった。




 


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