2.選定。
みなさん、書籍版は買ったかな?
あちらでしか見れないストーリーも満載! 再構築された万年2位をぜひ、よろしく!
「なぁ、キーン?」
「どうしたんだ、エリオ」
「いいや、少し気になったことがあってな」
控室で武器などの準備を進める最中。
ふと、エリオがキーンにそう声をかけた。彼女は剣を確認しながら言う。
「お前はこの勝負で、クレオの傍にいるに相応しい者であることを証明する――そう言っていたな。でもそれは本当に王女リリアナに勝つこと、なのか?」
「あぁ、そのことか」
すると青年は、ふっと笑ってこう答えた。
「決して勝つことがすべてではないさ。ただ――」
拳を握りしめて。
扉の方に目をやりながら、まるで誰かに話しかけるかのように。
「私は、私にしか出来ないことがあること、その価値を証明するだけ――そういうことですよね?」
いいや、たしかに扉の向こうにいる人物に告げた。
「王女様?」――と。
その言葉から数秒の間を置いてから、ゆっくりと扉は開かれた。
そこに立っていたのは――。
「意外に、鋭いのですね。エルフの英雄――その末裔さん?」
桃色の髪をした少女――王女リリアナだった。
彼女は腕を組んで、小さく微笑む。
そして、おもむろにこう口を開くのだった。
◆
「一度、しっかりと話をしてみたかったのだ。此度は共に、この決闘について話し合おうではないか」
「は、はい……。えっと、アラン団長」
「はっはっは! そう固くなるな。儂のことは呼び捨てで良い!」
「そうですか、ありがとうございます」
少しばかり緊張したこちらを見て、アランさんは豪快に笑った。
そして用意された席に座るよう促され、ボクはそこに腰を下ろす。彼も自分の席に座り、そこで改めてこう切り出した。
「しかし、アルナが認めた者というから、どのような偉丈夫がやってくるかと思えば。存外に愛らしい少年ではないか」
「ははは。愛らしいかは、分かりませんが」
彼なりの冗談なのだろう。
ボクが頬を掻きながら小さく笑い返すと、アランさんは頷いた。
「だが、佇まいで分かる。相当な実力者だな。ただ少しばかり、自分の力を過小評価している節も感じ取れるが――」
――なに、そこは気にすることではないか。
そして、そう口にして舞台を見下ろす。
彼は急に静かになって、しばしの間を置いてこう語り始めた。
「此度の決闘、あるいは国の未来を左右するかもしれないな」
「え……?」
ボクは首を傾げる。
「この国にある才能の結集。それが、いかほどの力を見せるのか――王女様から、話は聞いているのだろう?」
「………………」
こちらが黙ると、アランさんは視線だけを向けた。
無言を肯定と受け取ったらしい、ふっと息をついてから小さな声で続ける。
「正直なところ、この戦いについてこられない者は邪魔にしかならない。いても足を引っ張ることにしかならないだろうからな、王女様はそれを見極めるつもりだろう。そして、何よりも――」
そして最後に、こう告げた。
「キミという新たな主に、相応しいかどうかを」――と。




