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万年2位だからと勘当された少年、無自覚に無双する【WEB版】  作者: あざね
第23章

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7.マリンの一生懸命。

それぞれの思いを表明する感じになってますね。

今日は2話更新できるかも。


発売日も近付いているので、頑張ります!







 マリンはシンデリウス家のリビングで、心ここにあらず、といった表情をしていた。それというのも、あのリリアナが取り決めた決闘について。

 まさか妹であり親友のマキと戦うことになるなんて、思いもしなかった。

 姉としては複雑な心境で、先ほどから窓の外を眺めてばかり。



「…………はぁ」



 そして、こんなため息も何度目だろうか。

 治癒専門の二人だ。直接の攻撃を相手に向けることはない。

 そう、理屈では分かっている。しかし、感情がとても追いつかなかった。



「…………わたくし、は――」

「ずいぶん、思い詰めているんだな」

「え……?」



 ――どうしたらいいのか、と。

 そう口から漏らしそうになった時だった。

 部屋の出入り口の方から、彼の声が聞こえたのは。振り返るとそこにいるのは、やはりゴウン・オルザールの姿があった。



「もっと、肩の力を抜いたらどうだ?」

「………………」



 マリンの隣に移動しながら、ゴウンはそう声をかける。

 しかしながら彼女の表情は冴えない。黙って視線を下にやった姿を見て、彼は顎に手を当てて少しばかり考え込んだ。そうしていると、



「ゴウンさんは――」

「ん?」

「ゴウンさんは、どう思っていますの?」



 まるで、答えを欲しがる実の娘のように。

 マリンはゴウンにそう訊ねた。



「そうだなぁ……」



 それを受けて彼は、また少し考えて。

 すぐに一つ頷いてこう言った。



「俺様は、楽しみだな」――と。



 その強面に、笑みを浮かべながら。



「楽しみ、ですか……?」

「あぁ、そうだ」



 首を傾げるマリンに対して、ゴウンはこう告げた。



「娘たちが互いにしっかりとした目標を持って前に進む、成長する姿はとても楽しみなんだよ。少なくともお前らの年の頃の俺様は、遊んでばかりいたからな。正直なところを言えば、眩しくて仕方がないさ」



 若い時分の己よりも先を歩く二人が、尊いのだと。

 彼女はそれを聞いて、少しだけ自嘲気味に笑ってみせた。そして、一つ息をついてからこう自らのことを省みる。



「わたくしは、ただクレオの背中を追いかけていただけです。今も昔も、彼の遠い背中を一生懸命になって……」――と。



 ゴウンの言うような、たいそうなものではない。

 マリンはそう思っていた。だが――。



「なんだ、答えは出ているんじゃねぇか」

「え……?」



 彼はそれを耳にして、あっさりとそう答えた。

 困惑するマリン。そんな彼女に、ゴウンはこう告げる。



「誰かのことを想って一生懸命になれるなら、それに勝る答えはねぇよ」

「誰かのことを、想って……?」

「あぁ、そうさ」



 そして、ゴウンは少しだけなにかに思いを馳せるようにしてから。



「明日は、楽しみにしてるぜ? 娘たちの成長、ってやつをな」



 ――ポン、と。

 まるでマキにするかのように、マリンの頭に手を置いた。



「ゴウンさん――えぇ、そうですわね」



 マリンは父代わりの彼の言葉を聞いて、胸の前で小さく拳を握りしめる。

 どうやら、答えは出たようだった。



「貴方の娘たちの成長、楽しみにしていてくださいね?」

「あぁ、ありがとうな」




 微笑みを浮かべて。

 彼女は、ゴウンにそう宣言するのだった。



 


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