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万年2位だからと勘当された少年、無自覚に無双する【WEB版】  作者: あざね
第23章

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3.キーンの決意。

あらすじに、書籍の情報を書きましたのでよろしくです。

あと、公式HPより試し読みができます!!










 ――クレオに、この国の救世主となってほしい。



 キーンは自分の部屋に戻り、談話室で聞いた内容を思い返していた。ベッドに横になって、時々に寝返りを打ち、仰向けになってため息をつく。

 いったい、アレはどういった意味合いだったのだろう。

 比喩か、あるいは――。



「でも、クレオさんなら当たり前だよな……」



 いずれにせよ、あの少年なら大きな依頼が舞い込んで然るべきだった。

 国のために動いてほしいというのも、すんなりと納得できる。もっともクレオ自身は、その申し出を分不相応なものだと感じているだろうが。



「だとしたら、ホントにクレオさんらしいな」



 青年はそう呟いて、くすりと笑った。

 だが、すぐに目を細める。そして、額に手の甲を当てて考えるのだ。



「このままで――」



 ――このままで、本当に自分は納得できるのか。


 エルフの集落という狭い世界で得意になって。

 この王都にやってきて、クレオという大きな存在に出会った。

 少しでも彼の背中に追いつきたいと、そう思って必死に魔法の研究、さらには古代エルフ語の解読に勤しんできた。だが結局、自分はあの少年の足元にも及んでいない。そのままで、本当に自分は彼を見送ることができるのか。


 いや、それ以前に……。



「私は、どうしたらいい……?」



 誰よりも、彼のことを尊敬している自信があった。

 そんな自分には何ができるのか。

 キーンは、そう考えて――。



「…………そう、だよな」



 小さくそう口にした。

 身を起こして、窓の外――王都の街並みを見る。

 空には月が浮かび、星々が煌めいていた。



「私はこれからも、彼の傍にいたい」



 エルフの青年は、そう口にする。

 そのために、自分が何をすべきなのか。



 その答えは考えるよりも先に、身体が理解しているようだった。



 


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