8.もたらされた糸口。
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「どうする、クレオ!」
攻撃を躱しながら、アルナがそう叫んだ。
幸いなことにクラディオの攻撃は、すべてにおいて直線的。数を重ねれば回避もできるようになってきた。
しかしそれ以上の問題がある。
「速すぎて、攻撃する隙がない……!」
そう、反撃ができないのだ。
それは単純な速度の問題。だが、だからこそ難解でもあった。
純粋な能力であるがゆえに、根本から解決しなければならない。
「なにか、足止めする方法を探さないと……!」
だが、そう簡単に答えは降ってこない。
ボクたちはひたすらに、クラディオの高速攻撃を避け続けた。
「考えろ、考えろ……!」
必死に思考を巡らせる。
それでも、答えは出てきてくれない。
もうここまできたら、偶然でもなんでもいい。なにか――。
「あら、思った以上に苦慮しているようですね?」
「……クリム!?」
そう思った時だった。
ボクの背後から、あの魔族の声が聞こえたのは。
とっさに振り返るが姿はない。どうやら、声だけを飛ばしているらしい。
「魔族の弱点、知りたいですか?」
「……なんの、つもりだ」
「いえいえ、楽しんでいるだけですよ」
「…………」
笑い混じりの声。
ボクは少しばかり不快感を抱きながらも、黙るしかなかった。
すると、それを了承と受け取ったのか。彼女はこうヒントを出してくる。
「魔族すべてではありませんが、そうですね――」
ボクはそれを聞いて、ハッとした。
◆
「くそ、なんだってんだ!」
「アルナ! 大丈夫か!」
「大丈夫だ。エリオはどうだ!」
「アタシは無事だ。それより――」
アルナとエリオは、二人でクラディオの注意を引き付ける。
互いに連携しているが、これも体力の限界だった。大丈夫と口にしながらも、それぞれ肩で息をしている。
少年騎士の方が、苛立ちから舌を打った。
その時だ。
「二人とも、ボクに案がある!」
クレオが、そう声を上げたのは。
エリオとアルナは、少し驚きながら顔を見合わせる。
そして、即決した。
「分かった、任せる!」
「クレオが言うんだったら、正解だろ!」
彼への信頼をもとに。
二人は、彼の声に耳を澄ませた。すると聞こえたのは――。
「状況はエリオさんの時と同じだ! だから、悪いけど――」
クレオは、こう叫んだ。
「二人には、囮になってもらう!!」――と。




