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万年2位だからと勘当された少年、無自覚に無双する【WEB版】  作者: あざね
第21章

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6.三剣士、結集。








「そうです。リナの意識はまだあります!」

「え、その声は――クレ、オ?」

「はい。リナの傷は深いですけど、急所は外れています! これならボクの治癒魔法でも、助かります!!」



 ボクはリナの傷口を確認しながら、エリオさんにそう告げた。

 髪飾りを見たから、だろうか。彼女にかけられた融合の呪いは解け始めていた。先ほど外でクリムが言っていた通りだ。


 彼女はこう語った。



『そもそも、純粋な魔族というのはあの御方から生まれる者のみ。下賤な人間風情が魔族になれるはずがないのですよ。これはあくまで――』



 ニヤリと、口角を歪めて。



『本番前の戯れに過ぎませんわ』――と。



 その言葉と共に、彼女は姿を消した。

 ボクは結界魔法が解けたのを認めて中に駆け込んできたのだ。



「う、うぅ……!」

「リナ、リナ……!!」



 獣人の少女の治療をしていると、元の姿に戻りつつあるエリオさんが彼女の手を取る。そして必死に名前を呼ぶのだ。

 リナはうっすらと目を開けて、微笑んだ。



「よかった。貴方は――お姉ちゃんの仇じゃなかったのですね?」

「え……」



 そっと手を伸ばして、エリオさんの頬を伝う涙に触れて。




「じゃないと、こんな綺麗な涙は流せないですから」――と。




 二つの髪飾りをそっと握らせて。

 本当に嬉しそうに、笑う。



「貴方はきっと、お姉ちゃんの大切な――お友達だったんですね」

「リナ……」

「だから、もう泣くのはやめましょう? お姉ちゃんも、それを望んでます」

「うん、うん……!」

「えへへ。ありがとう、エリオさん」




 そして、その瞬間だった。

 エリオさんの身体を、光が包んだのは。

 眩い輝き。それが収まった時、そこにいたのは――。



「なんと、いうことだ……!」



 クラディオが声を震わせる。

 何故なら、エリオさんはいつもの姿に戻ったのだから。

 それはつまり、彼が今まで企んできたことが瓦解した証左だった。



「許さん、許さんぞ……エリオ!」



 クラディオは額に手を当てて、怨嗟を口にする。



「二度、いいや三度に渡って親の期待を裏切りおって……!!」



 それは、あまりに醜い言葉。

 ボクは立ち上がり、剣を掲げて宣言した。



「貴方の期待は、間違っている」――と。



 するとそれに頷いたのは、アルナだった。



「その通りだな。親ってのは決して、子供の飼い主じゃねぇ。子供には子供の権利や意思があって、それを尊重して育む役割だ。主人じゃねぇんだよ!」

「なにを……!」



 歯ぎしりをするクラディオ。

 そんな彼を尻目にボクとアルナは、リナを支えるエリオさんに手を差し伸ばした。そして笑いながらこう言うのだ。



「一緒に戦おう、エリオさん!」

「ずいぶんと時間がかかっちまったな、エリオ!」



 その光景を目の当たりにした彼女は一瞬呆ける。

 だが――。



「エリオさん、行ってきてください」

「リナ……」



 少女の笑顔に後押しを受けて、頷いた。

 立ち上がり、再び剣を取る――!



「すまない、二人とも。――ずいぶんと遅くなった!」




 そして、いつもの凛とした表情になりそう叫んだ。

 ボクたちは剣を合わせて、団結を誓う。



「行くぞ、クラディオ……!」




 きっとこれが、両家の禍根と因縁を巡る最後の戦いだった。



 


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