プロローグ 万年2位、勘当されて冒険者になる。
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「クレオ、本日をもってお前をファーシード家より勘当とする」
「えっ……。ちょっと待ってください、お父様!?」
王都立学園を卒業して間もなく、ボクは父のダン・ファーシードにそう言い渡された。どうしてかと問われれば思い当たる節はある。
それでも、あまりに酷い宣告に思わず声を上げてしまう。
それに構わず、父は無慈悲に、そして今までの家族としての時間を忘れたかのようにこう言うのだった。
「王都でも名門と呼ばれる我がファーシード家において、なんの取り柄もない者など要らぬと、以前より伝えていたはずだ。クレオ――貴様は、学園時代に一つとして1位を獲得したことがあったか? 座学にしろ、実践にしろ、だ」
「そ、それは……!」
その言葉に、ボクはうつむくしかない。
父の言う通りだった。ボクはこの家の家訓である、エキスパートたれ、というそれを体現できなかったのだ。幼少期からそれを何度も指摘され、努力してきたはずだった。魔法学に剣術、その他にもあらゆる学問において。
だが、ついぞ何かしらのジャンルにおいて1位を獲得するに至らなかった。
それはつまり、この家での存在理由を失うことに他ならない。
「よって、クレオ。貴様は勘当だ――なに、儂も鬼ではない。路銀をある程度は恵んでやる。それを持って、明日のうちに王都から出ていくんだな」
「…………分かり、ました」
ボクは拳を震わせながら、そう呟くように答えた。
それがすべての始まりであり、ボクがファーシードの名を失った瞬間だ。
◆
――翌日。
ボクは数人の使用人に見送られて、家を出た。
与えられたのは最低限の衣服と食糧、そして昨夜の話にもあった路銀。今まで拠り所にしていたファーシード家の家紋は、どこにも刻まれていない。
これでボク――クレオは、正真正銘、ただのクレオという少年になった。
「でも、この王都を出てどこに行けばいいんだろう……」
そんなことを考えながら、ボンヤリと街を歩く。
街を出ろと言われても、この街での暮らししか分からない自分には頭を抱えてしまうものだった。それでももしかしたらと、一つの選択肢が浮かぶ。
「んー、別に王都を出なくてもいいんじゃないか?」
どうして、ファーシードでなくなっただけで、街を追い出されなければならないのか。それを考えたら疑問しか浮かんでこなかった。
だったらいっそのこと、この街のどこかで好き勝手に暮らしても良いのではないだろうか。エキスパートではないけれど、学園で身に着けたスキルを活かせる場所で。そこで人生の再出発を図っても、構わないのではないだろうか、と。
「それだとしたら、一つ考えがあるな……」
ボクは自然と足を、ある建物の方へと向けていた。
あそこなら身分をある程度偽っても大丈夫だろうし、何よりも――。
「家のしがらみとか、そんなの関係ないからね!」
そして辿り着いたのは、冒険者ギルドだった。
そう、自由を生業とするここでなら、今までの窮屈な生活から脱却できる。ボクはもう迷うことなく、そのドアを押し開けた。
するとそこに広がっていたのは、貴族としての生活では見たこともない乱雑な空間。酒場と併設されているためか、どことなく酒気が漂っていた。
「……うん。まぁ、いっか」
一瞬だけ眉をひそめたけれど、ボクはすぐに気持ちを切り替える。
そして、受付のオバサンに話しかけて……。
「はい、これがギルドカードね?」
「ありがとうございます!」
簡単な手続きの末に、冒険者となることが出来た。
これで後は、クエストというものを受注するだけで良い。あるいは仲間の募集をかけるでも良い。どちらにしようか、そう考えた結果……。
「よし、まずは腕試しにダンジョンに潜ってみよう!」
自分のことを決めるのは自分だ。
自重なんてしなくても良い。だから、ボクは真っ先に街外れのダンジョンへと向かうのであった。
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