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おはようと君が言う  作者: 竹下千代
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プロローグ、第一章

見切り発車でまた連載を始めてみました。プロットはできているので、最後まで書けるはず・・・・・・。


プロローグ


神戸市ファミレスで自爆テロ


20日昼前、神戸市内のレストランで、自爆テロがあった。

容疑者は無職の荒巻祥吾容疑者(16)で、朝の未明に

女とともに飲食店に入店、自爆テロを実行した。

この事件で死傷者は4人、重軽傷は38人。

警察は容疑者とともに入店していた女の身柄を

調べている。




第一章 それぞれの朝


 高橋美奈は、ベッドの上で大きくのびをした。カーテンの隙間から、朝の光が差し込んでいる。

 両親はまだ寝ているらしい。高橋の家では、日曜は平日より遅く起きて朝食を食べるのが習慣だった。あと三十分は起きないだろう。

 高橋は、散歩に行くことにした。


  ○


 雪田夏樹は、朝からパソコンにかじりついていた。バーチャルアイドルの 動画を専用サイトで検索しては、ヘッドホンをして聞いていた。雪田は、中肉中背で、目が悪いので分厚いめがねをしていた。背が低いので、人からは余計に太って見えるらしい。雪田はそんな自分の外見を変えることを諦めていた。ついでに就職活動も2,3社受けて諦めていた。単位を十分に取った大学には、3ヶ月前から出ていなかった。

 美しいバーチャルアイドルの歌声に聞き惚れていると、後ろから急に肩をたたかれたので、

「うわあ!」

 と雪田は驚きの声を上げた。振り向くと、妹がいた。

「勝手に部屋入ってくんなよ!」

 と雪田は妹に向かって言った。雪田に似て中肉中背のかわいくもない妹は、

「音、うるさい」

 とパソコンを指さしていった。ヘッドホンからの音漏れがひどい、と言いたいらしい。「わかったよ。さっさと行け」

 妹は無表情のまま、兄の部屋を出て行った。

 雪田は動画の音量をこころなし下げ、またネットの海に潜っていった。


   ○


 妙齢の女が、ベッドの上で大の字になって寝ていた。名前を、伊藤しずかという。

 伊藤は、OLである。昨日も夜の1時まで会社に残り、使われるのか定かでない分厚い資料を作っていた。残業代が出るのが救いである。家に帰ってきて、伊藤はすぐに上着を脱いでベッドにダイブした。伊藤は寝相が悪いので、夜中セミダブルのベッドの上を転げまくり、ブラウスやスカートは乱れ、あられもない姿になっていた。 しかし、一人暮らしなので、その姿を目にするものはいなかった。

 9時になった途端、スマホから大音量で『夜空のム●ウ』が流れ出した。

「・・・・・・うー」

 と伊藤はベッドの脇のカバンを探り、スマホのアラーム機能を切った。

 そして頭をぐしゃぐしゃにかくと、暑い気がしてブラウスのボタンを2,3個開け、また、シーツの海に飛び込み、数十秒後には寝息を立てていた。



  荒巻祥吾は、母親を殺してしまった。

  キッチンでは、母親が頭から血を流して、倒れていた。殺したのは、もう2時間も前のことだった。

  きっかけは、些細なことだった。荒巻のテストの成績が下がったことだった。

  母親曰く、あんたはスマホを触りすぎだ、友人達も軽薄そうで悪い影響を受けている、甘いものも食べすぎるとバカになるからしばらくやめた方がいい、と言うことだった。

  とどめは、次のテストで成績がまた下がったら、小遣いを半分に減らす、と言う言葉だった。

  荒巻は、頭にきて、自分の部屋からバッドを持ってきて、朝食を作っていた母親の後頭部をバッドで思い切り殴りつけた。

  母親は簡単に、倒れてうめいた。その母親の頭を、荒巻は何回も怒りにまかせてバッドで殴りつけた。

  気づいたときには、荒巻の前には、頭が血まみれになった母親の死体と、血まみれのバッドを持った自分しかいなかった。

  そして、途方に暮れた。


  朝の光だけが優しかった。


<一章、了>

時間軸を同じにした群像劇は好きです。

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