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新世紀の殉教者

Wall of anguish

作者: keisei1

朝方の5時 友人の電話が僕を叩き起こす

彼の話によると男と女の戦争が始まるらしい


昨日の夜はあれだけ仲良くしてたのに

ちょっとした言葉がきっかけで

子供たちをも巻き込む戦争になるなんて

勝手気ままもいいところ


男の言い分は自由が欲しい

女の言い分は束縛しないで

男の言い分は愛して欲しい

女の言い分は愛が足りない


お互いすれ違いでそっぽを向いて

口もきかずにナイフを取り出すなんて

もう僕には理解しようがない


コントロールされるのは誰もが嫌い

主導権が欲しいのは誰もが一緒

相手が自分の言いなりになればこれほど都合のいいことはない

僕は思う 彼らがしたいのは自分勝手な籠城戦だと


彼らは昨日 仲の良かった相手と言い合い 罵り合う

多分 それをそそのかしてるのは

男と女を隔てる苦悩の壁


もういいや 僕は聞き飽きた

そう 自由にやればいい

僕は呆れて ただ午後のコーヒータイムを楽しむだけ


夕方の6時 友人の電話が僕を駆り立てる

彼の話によると男と女の戦争は終わったらしい


朝方から始まった彼らの戦争は

ちょっとした愛撫と口づけがきっかけで

子供たちの説得も相まって終息を迎えたらしい

気紛れ 移り気もいいところ


男の言い分は僕が悪かった

女の言い分は私が悪かった

男の言い分は僕が謝ったから

女の言い分は私が彼をせがんだから


あれだけ激しい戦争をしたというのに

彼と彼女は表向きは仲睦まじく手を握ってる

もう僕には理解しようがない


仲違いをするのは誰もが嫌い

距離を縮めたいのは誰もが一緒

相手が自分の時間 場所に合わせてくれればこれほど都合のいいことはない

僕は思う 彼らがしたのは自分勝手な籠城戦だと


彼らは多分 明日になったらまた戦争を始めることだろう

多分それをそそのかしているのは

男と女を隔てる苦悩の壁


もう いいや 僕には見慣れた光景だ

そう 自由にやればいい

僕は呆れて月光が照らしつけるベッドの上に横たわるだけ



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