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第三話  本当の気持ち

「えっ!?れ・・・(ではなくて)水華さんまだ来てないんですか!?」

学校に着いた紫希は、冷菜がまだ来てない事を知らされる。

「はい。まだきてませんよ」

「そうですか・・・」

(おかしいですね。休む時は学校か私に連絡するよう言ってあるのに・・・)


その頃、冷菜は高熱で苦しんでいた。

「〜っ・・・」(苦しい、声が出せない!こんな時紫希がいれば・・・)

すると、冷菜の携帯が鳴った。かろうじて電話に出ると、紫希の声が聞こえた。

『冷菜!今どこにいるんですか?』

「・・・っ、し、き・・・」

『何をやっているんです。休むなら連絡をしなさい』

「くる・・・しぃ・・・」

『え!?な・・・』

冷菜は呼吸困難で気を失い、同時に会話も途切れた。


紫希は、仕事を早退し、冷菜の家に車を走らせた。

家の前に着き、中に入ると倒れている冷菜がいた。

そのそばにしゃがみ、体に触れると、体が冷えきっていることがわかった。

「一体何が・・・」

冷菜の近くにはノートが置いてあった。

「なるほど。雪の中帰ってきたので熱を出し、あまりの高熱に呼吸困難になったんですね」

紫希は冷菜を抱き上げると、顔を近づけ、唇を重ねた。

「ん・・・」

「気がつきましたか。何故コートも着ずにでかけたのです」

「えっ!?昨日の事知って・・・!ていうかなんで・・・」

「あのノートが置いてあるのを見れば一目瞭然です」

冷菜をソファに寝かせると、そのそばに紫希が座った。

「まあ、無事で何よりです」そう言って微笑む紫希を見て、冷菜は一応意識してくれているのかと

安心したが、やはりどこか不安だった。

冷菜は起き上がると、隣に座っている紫希に抱きついた。

「どうしたんです?いきなり」

「私・・・紫希が好きだよ」

「それは充分わかっていますが・・・」

「紫希は、いつもそういう風にそっけなく答えるよね。私のこと、嫌い?」

「そんな事・・・っ」

紫希は、少々冷静さを失ったように反応する。

「なら、なんで私の気持ちに気づいてくれないの!?私が紫希をどんなに思っても、

紫希は私の気持ちに気づいてる様子ないじゃない!」

「冷菜・・・」

「紫希にそっけなくされる事は、私にとって嫌われるって事に近いんだよ!

なんで紫希はいつもそうなの!?」

俯き、静かに泣く冷菜を見た紫希は、冷菜の家を出て行ってしまった。


                       続く

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