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ぶち切れ聖女は激マズポーションを置き土産に逃亡する  作者: 嵐華子@【傾国悪女】3/5発売予定
1章〜ブチギレるまで

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24.輩の間違い〜ガルヴァウside

「お兄様が心配するようなことは起きていないわ。魔国の周りの結界は無事よ。お父様にもお兄様にも腹が立ったから、このまま魔国の住人になって、ひっそりフェードアウトしてやろうかとも思ったのよ。とはいえ私も一応、貴族でしょう。放っておいてお母様や領民達に何かあっても嫌ですもの。それにお父様とお兄様が、回帰前みたいになるのも……」

「回帰前?」


 俺の杞憂を晴らした妹は、不意に顔を曇らせて口ごもる。そんな妹の言葉が気になって問い返した。


「いえ、何でもないわ。どちらにしても今より面倒になるのは、本当に面倒臭いと思ったの。だけど、どうせ呪いの芽を焼いてあげるんだから……ふふふ。ここへ来る前に国王陛下と、ついでに居合わせた神官長も含めて、呪いの芽を焼いといてあげたわ。その上で国王と、ついでに神官長とも裏取引をしてきたの」

「……は?」


 おいおい、俺の妹が聞いた事もない呪いの芽説を、まるで昔から知ってたみたいに解説した直後に、ぶっ飛んだ事言ったぞ?


 何で国王と、ついでに居合わせた神官長と裏取引すんだよ? つうか教会にいる神官長が、たまたま居合わせたりするもんか?


 あ、そういやカリエルが言ってたな。


 元々、国王は体が丈夫じゃなかったらしい。特に第一王子に今の婚約者ができた頃から、体調を崩しがちになったんだっけ。それで神官長が定期的に訪問しては、回復魔法かけるようになったんだ。


 王族の特権かなとか思ってたし、回復魔法も合わせた治癒魔法を使える人間の身柄は、教会預かりになる場合が多い。


 だから国のトップである国王の体調管理は、教会のトップである神官長がやるもんだって思いこんでた。多分、国民は全員そう思ってる。


「ちょっ、まさか……国王にも、激マズ青汁苦甘辛特製栄養ゲロドリンクとかっていう、殺る気みなぎるドリンクを飲ませてねえよな!?」


 ただでさえ国王は体調が悪いんだろ? カリエルの様子を見れば、妹が飲ませたポーションが突き抜けた味なのは間違いねえ。


 下手すりゃ、味だけで国王は死ぬ。


「ついでにカリエルにやったみたいな、ボディーブローも食らわせて……」

「ふっ。まさかこの頃にはもう、ソイツも国王も、ここまで呪いに侵されていたなんてね」


 顔を引きつらせつつ、まさかを口にすれば、妹は俺の言葉を遮ってニヒルな感じで笑ったな!


 やったな!? 殺った方じゃねえよな!? お兄ちゃん、お前を庇いきれる自信なくなっちまったぞ!?


「……どこまでやった?」


 気力を総動員して、声を搾り出す。状況判断材料を少しでも集めようと努める。


 しかし妹の発した言葉も気になる。


 妹は今、この頃って言ったか? 妹の言い方が、まるで未来から過去を見通したようなもんに感じる。


「だから心配しなくて大丈夫よ。全部丸く収めたもの。それに……んふふふ」


 俺への問いには答えず、妹がニヤリと笑う。悪人面だ。やべえ悪人面だ。


 何で俺の妹は、俗に言う悪い顔ってのが、こんなに板についてんだよ。


「お陰で裏取引もしやすかったわ。ケモック二世も、いい働きをしてくれたし、きっとポーションは美味しくなるから! ね、ケモック二世!」


 妹がそう言い捨てると、ケモック二世が体をビクつかせた。


 ドリンク飲ませてぶん殴った上に、裏取引!? 脅したのか!? 妹がポーション発言した途端、ケモック二世がブルブル震え始めたが、むしろ恐え! まだポーション使って何かするつもりなのか!?


「ちょっと待て、フィデリカ! 何をやらかした!? そもそも呪いの芽とか、さっきのケモック二世は呪いってのを浄化したって事か!? 何でそんな事ができんだよ!?」

「呪いを使って国家転覆を狙う不届者から、国王をはじめとする王族達を、神官長を、ひいてはこの国の未来を救ってあげただけよ。私は特製ポーションで呪いを吐き出させ、ケモック二世はスライムっぽく具現化した呪いを焼いてね。でもその後、居合わせた神殿の神官達が私を伝説の聖女、ケモック二世を聖獣って言い始めたの」

「はあ!? 聖女って、フィデリカが!? 輩の間違いだろう!?」


 妹の衝撃発言に、思わず声を張り上げた。

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